道東をもっと楽しむ Do-Life

MENU

牛の削蹄師さんが栽培する十勝の絶品いちご@十勝源流苺「いのちのいちご」

2021.8.3

こんにちは。DO-Life特派員マウラです。

 

マウラ

マウラが一番好きな食べ物。それはいちご!!十勝でちょっと特別ないちご栽培をしている人がいるのでご紹介したいと思います!!
(本当は美味しいいちごを食べる、も大きな目的の一つです笑)

いちごを通して、生き物や自然の力を感じて欲しい。

新得町で「十勝源流苺 いのちのいちご」を育てているのは大下さん。

大下さんの本業、実は牛の削蹄師さん。つまり蹄を切る人です。
マウラは去年の秋にこのいちご畑に初めてお邪魔しました。大下さんはお話しならプチプチいちごを採ってくれます。

 

大下さん

去年は秋に来たからもっと味が乗っていたと思います。

 

マウラ

全然美味しいです!!!!何回食べても驚きの味の濃さです。甘みだけじゃなく香りも高いから酸味がきつく感じないんですよね。甘み、うまみ、香り、酸味、すべてがとにかく「濃い!!」。
ただ、去年の秋に食べたものとは奥の方にいる香りが全然違います。
あの香りというか奥行きは何にも表現しがたいくらい複雑でいちごの美味しさを最大限引き出してると感じました。
一粒600円のいちごも食べたことありましたけど、マウラ史上一番驚きの味でしたね。

大下さん

秋と夏の味の違いをわかってくれるのは嬉しいですね!!

大下さんのいちごはココヤシ床での高設栽培がメイン。

 

マウラ

なぜココヤシ床なんですか?

大下さん

私の育て方は「微生物栽培」、つまり微生物の力を最大限引き出して育てるんですけど、ココヤシは微生物の住処となる繊維質が豊富で、栄養が少ないので微生物を増やして行く過程が分かりやすいんです。微生物の餌となる麹菌を与えながら肥料成分の利用効率を上げる栽培方法です。
先ほど、夏と秋のいちごの味の違いを話しましたがその違いも微生物が生み出すもので夏〜秋の季節を体感した、苺の植物体と微生物が、共に対応力をつけて成熟し発酵に向かいます。
また、気候風土がこの苺の味の土台になっています。 微生物栽培は、株毎に個性が強く出ます。 そしてその土地の気候風土を強く反映する特徴があると思います。

マウラ

その土の発酵がいちごの奥行きや香りに繋がっている、ということですね。

 

マウラ

ところでいちごって夏に成ってそれで終わり、ではないんですか?それだとご商売にならないと思うのですが。

大下さん

いえいえ。一度成って摘み取っても新しい花芽がまた出てくるのでどんどんサイクルが回ってくるんですよ。

マウラ

えー。うちの実家のいちごは数週間でドカっと成って終わりです。

大下さん

私の栽培している苺の品種は「信大BS8-9」 という長野県、信州大学で開発された夏秋苺=四季成り性品種です。 ‘サマープリンセス’と‘女峰’との掛け合わせです。
日本の苺は冬春いちご(一季成り性品種)と夏秋いちご(四季成り性品種)に分けられます。 一般的によく知られているいちごのほとんどは一季成り性品種で低温期にしか収穫出来ません。 これに対して四季成り性品種はほぼ一年を通して収穫出来ますが、以前は一季成り性品種に比べて品質が劣る為実際には主に業務用として夏秋だけに栽培されて来ました。 これまで、冬秋イチゴに比べ、夏秋イチゴの品質は著しく劣り「冬と夏のイチゴは別モノ」という認識が長年定着してきました。また同じ品種の株でも栽培法によってはサイクルは途切れちゃうことも多いでしょうね。でもこの農園ではいつも微生物が活動できる環境にしているので成る回数も多いのです。わかりやすく言うなら新陳代謝が激しいからどんどん再生していく、と言う感じですね。

マウラ

いちごが何度も成るのは微生物のおかげでもある、と?

大下さん

そうです!!

大下さんのいちご栽培は今年で4年目。

 

マウラ

本業が別にあっていわゆるパラレルワークで且つどちらも屋外作業。過酷じゃないですか?

大下さん

いちご栽培の方は楽しいからやる、来たいから農園へくる、と言う感じなので全然過酷じゃないですよ。仕事という感覚はありますが、やっている事が牛の健康と人間の健康、自然にとって良い事だと実感出来るので心から納得できるし楽しいし、何より自分が救われる気がします。
農園に来ていちごと対話して成長を見ているのが楽しいんです。こちらが気にかけていればちゃんと翌日には実が大きく成ったりして応えてくれます。たまに農園に来られないことがあったりした時にもいちごのことが気になっていますね(笑)。

マウラ

削蹄師である大下さんがなぜ本格的ないちごの栽培を始めたんですか?

大下さん

簡単に説明すると「牛の病気を治したい」と思ってエサとなる牧草のこと、それが生える土のことを勉強していたら微生物のことを知るようになっていちご栽培を始めた、と言う感じです(笑)。

マウラ

いちご栽培がやりたくて始めた、と言うことではなかったんですね。

大下さん

栽培するのはなんでもよかったんです(笑)。知り合いに「美味しい夏秋いちごの品種ができた」と紹介されて。いちごは女性やお子様にも喜ばれるし、飲食店やお菓子屋さんへのアプローチも考えると間口が広いなと思って試しにやってみることにしたんです。
栽培してみると1年目から美味しくできて、微生物のあり方もわかりやすく反映してくれるのでこれは面白いなと思いました。

マウラ

大下さんがいちご栽培で目指しているのってどんなことなんでしょうか?

大下さん

いちごを食べてもらって「このいちごはどうして美味しいんだろう。どうして味が違うんだろう」と言うことをまずは感じてもらい、そこから微生物、生き物、自然の力の偉大さをできるだけお多くの人に知ってもらいたいと思っています。
人々がほんの少し考えて行動することによって、本業である農業全体の環境も良くなってそれがまた人々の美味しい食卓や健康に繋がる。広くみんなが自然のことに目を向けると世界はすごく変わるんだよ、と言うことをいちごを通して伝えていきたいと思っています。

マウラ

最後に。皆さんにお聞きしているのですが、大下さんはなんの車に乗っていますか?

大下さん

自家用車はTOYOTAのNOAHに乗っています。家族6人乗るので広いワンボックスを選びました。 大き過ぎず燃費も結構良いので乗り易くて満足しています。 仕事用はSUZUKIのエブリィ。 軽自動車という事で、税金やタイヤなどの経費が抑えられて、荷物が大量に詰めるので重宝しています。でも、燃費が良いとは言えないので今後はハイブリッド車で荷物が積める車が欲しいですね。

今年から土耕も始めたそう。高設1年目の土、2年目の土、そして土耕。それぞれ味や食感の違いが大きく変わるのが面白かったです。土耕が一番ジューシーでした。

さて。そんな大下さんの作る「十勝源流いちご いのちのいちご」ですが今は広く流通しておらず「パン工房わかふじ」さん敷地内新得町野菜直売所さんで7月から10月いっぱいまで毎週火曜日、木曜日、土曜日販売中です。

営業時間が11:00〜13:00までです。お近くにお越しの際はぜひゲットしてください!!


【十勝源流いちご いのちのいちご】
販売所:新得町野菜直売所
北海道上川郡新得町西3条南1丁目1

この記事もおすすめ