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待望の食材『十勝の塩』@広尾町鈴木牧場

2021.1.31

こんにちは。DO-Life特派員マウラです。

これまで「DO-Life」を通して道東の魅力を様々な角度からお伝えさせていただきましたが、今後は「ヒト」にもスポットを当てた「私がそれをやる理由」シリーズも同時に展開してきます!!どんな人がどんな想いでその商品を作っているのか、その取り組みをしているのか。
今までとは違う切り口の記事になりますが、この地の魅力を発信する事に変わりありません。お楽しみください。

シリーズ初回である今回は、、、、

 

マウラ

野菜、小麦、お砂糖、豆、肉、乳製品、フルーツ。どんな食材でもあると言われている食の宝庫十勝でも今まで流通にのぼってこなかった食材。それが「塩」。様々な飲食店や消費者が待ちわびる中、5年の歳月をかけて塩作りに成功したのはなんと酪農家さんでした。
今日はそんな酪農家さんに『十勝の塩』ができるまでの経緯をお聞きします!!

酪農家が塩を作る。その理由が明らかに!!

自粛ムードと悪天候が重なったので今回はリモートでの取材となりました。

鈴木さんです。

 

マウラ

こんにちは〜!!

鈴木さん

こんにちはー。よろしくお願いします。

鈴木さんは十勝広尾町で「循環型酪農」をされています。

 

マウラ

まず。鈴木さんが考える「循環型酪農」ってどんな事なんでしょう?

鈴木さん

当牧場も過去には普通の酪農をしていましたが、10年ほど前に家畜伝染病が蔓延し牛が犠牲になりかわいそうな事をしてしまいました。その時に「一番大事なのは牛を健康に飼うこと」と気づき。それにはワクチンやサプリに頼るのではなく牛が食べるエサを健康的なものにしないといけないという事で、それまでの穀物入り配合飼料をやめて自社の牧草を与えようと思ったんです。良い牧草を食べた牛は健康になって出る排泄物も良い、その排泄物は良い堆肥になりそれを土にまくとまた土も良くなる、その土で育った良い牧草を牛たちが食べる、という好循環で飼育できるのが「循環型酪農」です。

マウラ

「循環型酪農」は牛と環境に優しいシステムなんですね。

鈴木さん

サプリ代もワクチン代も病気の治療費もかからないので、牛や環境に優しいのはもちろん、実は経営にも優しいです。

マウラ

誰もが不思議に思う事ですが、なぜ酪農家である鈴木さんが塩を製造、販売することになったんですか?

鈴木さん

牛は1日に何回も塩を舐め、50g以上摂ると言われています。本来草食動物である牛が食べる牧草は100%自給できているので、牛の口に入る牧草、水、塩はすべて地元のもの自然のものでまかないと考えました。ちょうど広尾町は海に面しているので、最初は実験的に作り始めました。作ってみるととても美味しくてこれは人にも喜んでもらえると思ったんです。実験開始から販売まで5年かかりました笑。

マウラも去年、塩づくりの見学でお邪魔させていただきました。↓塩釜も手作り。

完全なる鈴木さんの手作業です。

 

マウラ

1回の製造で海水をどのくらい汲み上げて何キロくらいの塩ができるんですか?

鈴木さん

2トン汲み上げて約40kgの塩ができます。その半分を牛に、残り20kgくらいが製品になります。

マウラ

2トンも汲んで40kgしかできないんですね!!超貴重!!

釜でしばらく煮詰めるとピラミッド型の結晶ができます。

これ肉眼でちゃんとピラミッドが見えるんです。この「結晶塩」も製品化されています。

結晶塩を取り除いて、そこからまたグツグツ数時間煮詰めると今度はよくみるサラサラの塩ができます。

真っ白で綺麗ですねー。

 

マウラ

塩作りのこだわりって何ですか?

鈴木さん

こだわりは3つほどあります。一つ目は満月の夜に海水を汲む事です。諸説ありますが満月の際は引力の関係で海の深いところにある海水が上の方に上がってくると言われています。そのミネラル豊富な海水を使っています。

マウラ

満月の時に海水を汲み上げていることは知っていましたが、もっと浪漫だったりスピリチュアルなことかと思っていましたが物理的な理由だったんですね。

鈴木さん

こだわりの二つ目は広尾町の通称黄金道路、と言われている付近の海水を汲むことです。そこには山とか森からの雨水が流れ込んでいて海、山、両方のミネラルを含んでいます。なのでプランクトンも海藻もたくさんあって、海水も美味しいんじゃないかと考えています。

マウラ

海の中の多様性ですねー。だから「十勝の塩」は様々な味が存在していて深みを感じるんですね。

鈴木さん

三つ目のこだわりは塩釜の薪です。林にある間伐材や落ちている枝などを拾って薪にしています。熱源も「地元のもの」を有効活用しています。

マウラ

2トンもの海水を塩になるまで煮詰めるのだから薪だって相当量ですよね。それを拾い集めるってすごい情熱と真摯に自然と向き合っているのを感じます。
そんな鈴木さんですが、もちろん今後やりたい事や展望、野望なんかもあったりしますよね?

鈴木さん

今年の夏には塩の新しい工房を作ろうと思っています。今はまだ1回の製造で牛に充分与えられるほどの量ができていません。新しい工房では製造量を増やす事ができますし、塩づくりの見学もできるようにしたいです。クラウドファンディングもしますので、ご協力お願いします!!
酪農の方でいえば、2022年にはオーガニック牛乳の販売を目指しています!!

マウラ

どちらもすごいことですね。でも鈴木さんの事だから情熱的にコツコツと実現しちゃうんだろうなー。
ところで鈴木さん。車は何に乗られていますか?

鈴木さん

トヨタのアルファードに乗っていますよ。家族たくさんでも乗れますし荷物もたくさん詰めるのが気に入ってます。

実は『十勝の塩』のラベルデザインはマウラが担当させていただきました。

製造の現場を見学させてもらった時に見たピラミッドの結晶があまりに印象的でその形をアイキャッチにしました。そして、オリジナルカラー「ソルトブルー」でクリアな味を表現してみました。

『十勝の塩』の味の特徴はなんと言っても「あまみ」が強いこと。ただマウラ個人の『十勝の塩』の真価はあまみだけじゃなく奥の奥の方にある苦味。これが味の深さや奥行きを出していてバランスも良く、唯一無二の塩だなーと感じます。

塩むすびやフライドポテトなどまずはシンプルなメニューでお召し上がりください。塩にも個性がある事がわかるはずです。

鈴木牧場さんでは塩の他にも少量ではありますが「グラスフェッドビーフ」もネットショップで販売しています。

牛を大切に育てるために始めた循環型酪農。そこから生まれる塩やお肉。こういう事を知っていると、目の前にある食べ物が当たり前にあるわけじゃない、と改めて感じさせてもらえます。

ぜひ皆様も十勝が誇るべき調味料『十勝の塩』一度お試しください!
オンラインショップの他、店頭販売は下記店舗で!!
熊田商店(帯広市)
Aコープサンタ村(広尾町)


鈴木牧場

オンラインショップ 十勝広尾鈴木牧場
ホームページ  十勝広尾 鈴木牧場

住所  北海道広尾郡広尾町紋別16線14番地5

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