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これからの農業を担う次世代の力@細野翔さん

2022.10.3

こんにちは。

音更町地域おこし協力隊の高山です。

今回取材させていただいたのは、帯広川西地区で農業を営む細野 翔(ほその しょう)さん。30歳で両親から農場の経営を引き継ぎました。

幼いころから見ていた両親の姿と今の自分。
視点が変わったからこそ見える思いと課題がありました。

 

高山

初めての農家さんへの取材。 どんな思いで野菜を作っているのかとても興味があります!

農家は大変だけどやりがいのある仕事

取材させていただいたのは8月下旬。
緑いっぱいの長芋の畑から細野さんがお出迎えしてくれました。

 

高山

本日はよろしくお願いします。 細野さんのことやお仕事のことなどたくさん教えてください!

細野さん

こちらこそよろしくお願いします!

高山

まずは細野さんの自己紹介をお願いいたします。

細野さん

1991年生まれ。帯広川西地区で育ちました。親が農家だったので、物心がついたころから畑の仕事を手伝っていました。親の背中を見て子ども心ながらに、農家の仕事って大変だけどやりがいがありそうだなと感じていました。 それと、働く車が好きだったので、トラクターに乗せてもらっていたのがすごく嬉しくて記憶に残っています。 三男なので、兄達が継がなかったら僕が継ごう!と考えていましたが、結局兄達が継がなかったので、22歳から就農して今年正式に経営を引き継ぎました。

高山

幼い頃から両親の背中を見て育ったのですね。 自分が継ぐと決まった瞬間どんな気持ちでしたか??

細野さん

よし、頑張ろう!とやる気に満ち溢れていました! 今までは収穫したものを出荷して終わりでしたが、これからは加工商品などを販売して、第6次産業まで関わっていけたらいいなと思っています。

 

高山

なぜ加工商品を販売したいと思ったのですか??

細野さん

農家が農作物の値段を決められないので、肥料の金額が倍になっても出荷額は変わらない。 それが続くと、どんどん赤字になっていき農家を続けていくのが難しくなります。 それを避けるために、自分で値段を付けられる加工商品を販売して、後世に農家のお仕事を引き継いでいきたいなと思っています。 うちは長芋をメインで収穫しているので、長芋に関連した商品を販売したいです!

細野さんの畑で収穫した長芋。大きくて食べ応えがありそうです。

 

高山

肥料の金額は上がっているのに、野菜の出荷額が上がらないのは大変ですよね。 農家として、消費者に伝えたいことはありますか??

細野さん

手間暇をかけて野菜を作っているので、やっぱりフードロスはなくしてほしいなと思っています。 それと最近、オーガニック野菜が流行して農薬=危険なものという認識が広まっていますが、きちんと適切な農薬の量を使用しているので、安心して野菜を食べてほしいです。

病気になっていないか葉の様子を定期的にチェックする細野さん。

 

高山

食べ物を残さないということは当たり前なことだけど、なかなかできないので普段の日常で少しでも意識していきたいなと思います!

細野さん

みんなが少し意識するだけでも変わると思います!

高山

そういえば、細野さんは専門学校などに通って農業の知識をつけたのですか??

細野さん

いえ、高校は帯広工業高校の電子機械科に通っていました!大学も北見工業大学の機械工学科なので全く農業とは関係ないことを学んでいました。小さい頃から働く車が好きだったということもあり 機械設計などに興味があったんです。その知識は今でも役に立っています。

 

細野さん

じゃがいもを植え付けるポテトプランターは補助員の椅子が低いので、使いやすいように高さを変えたり、長芋のポールを抜き取る作業も手作業だと大変なので、機械で作業できるようにトラクターを改造したりしました。

 

高山

トラクターを改造!? 学生時代に学んだ知識が生かされているんですね。

細野さん

はい!これからも農作業をいかに効率良く出来るか考えながら、作業方法を考えたり、機械を改造したりしていきたいです。

高山

すごい、農家の次世代を担う力強さを感じます!

収穫シーズンを迎えて

 

高山

細野さんが育てている野菜の種類を教えてください!

細野さん

今は長芋、小麦、芋(メークイン)、タマネギ、枝豆、小豆、スイートコーンなどを育てています。今は加工用スイートコーンを育てていますが、これからは生食用のスイートコーンも育てていきたいなと考えています!

収穫前の小麦と採れたての芋とタマネギ。

 

高山

たくさんの種類の野菜を育てているのですね! メインはやっぱり長芋ですか?

細野さん

はい!長芋はどこの畑でも育てられるわけでなく、土質がいいところにしか育ちません。川西地区は長芋に適した土質なので、水々しくて美味しい長芋が採れます。

 

高山

どこでも収穫できるわけではないのですね。 長芋の収穫シーズンはやっぱり大変ですか?

細野さん

長芋の収穫時期は4月上旬と11月上旬で4月は1週間、11月は2週間ほど収穫が続きます。収穫時は大体2時半に起きて、3時から穴掘り作業がスタート。そこから17時までひたすら掘る作業を行なっています。その作業が終わったら19時まで農協で出荷作業をしています。

高山

2時半起き!? どうしてそんな夜中から作業を行うのですか?

細野さん

7時頃にアルバイトが出勤して穴から長芋を収穫する作業をするのですが、夜中から穴を掘らないとすぐ追いつかれちゃうんです。大変だけど、収穫が終わった後はやりがいも感じられるので楽しいです。


長芋の収穫の様子。掘った穴に潜って手作業で長芋を収穫します。

 

高山

やっぱり収穫シーズンは大変ですよね。 最後に、細野さんのこれからのビジョンを教えてください!

細野さん

今年結婚したので、今まで以上に仕事も頑張っていきたいなと思っています! そして子どもができたら、次世代にも繋げられるように今できることを一生懸命頑張っていきたいです。


細野さんと奥様の彩香(さやか)さん。

彩香さんはフリーカメラマンとして活躍しており、私と一緒にDO-Lifeの記事を作ってくれています♪

 

高山

本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!細野さんの話を聞いて、普段何気なく食べている野菜だけど、そこに作ってくれた農家さんがどんな思いで作っているのかを考えるきっかけになりました。


記念に細野さんと写真を撮りました!太陽のような笑顔の細野さん。

これからどんな野菜を作っていくかとても楽しみです♪


撮影協力:Sayaka

1996年生まれ。北海道十勝在住。ポートレートを中心に広告、レストランのメニュー撮影、企業撮影などを撮影。また、最近は動画撮影や映像制作にも精力的に取り組んでいる。

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