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キッチンカー運営に興味ある人必見!!知りたい事全部聞いちゃいます!!

2021.2.25

こんにちは。DO-Life特派員マウラです。

 

マウラ

コロナ禍で需要が高まっているキッチンカーという業種。運営に興味はあるけど「何から始めたら良いかわからない」「何が必要なの?」そんな皆様の疑問を、実際にキッチンカーを運営されているお二方にお聞きしました。

この情報で少しでも十勝の事業者様のご商売が元気になってくれたら嬉しいです!!

牽引タイプ/フードメニューverのすすめ。

まず伺ったのは十勝でもいち早くキッチンカー運営を始めたパイオニア的存在の『シーガルキッチン』さん。以前「キッチンカー特集」でもお世話になりました。

『シーガルキッチン』と言えば美味しいタコス。イベント出店時には長蛇の列ができます。

キッチンカーは主に「車体一体型」か「牽引型」に分かれていて『シーガルキッチン』さんは牽引型。

オーナーの山中さんにお話をお聞きします。

 

マウラ

なぜ牽引タイプを選んだんですか?

山中さん

牽引といっても、タイヤより上にハコ(店舗)がついてるものが多いんですけど、うちのは特別にお客様と同じ目線の高さなんです。これによってお客様とコミュニケーションが取りやすくなります。お客様は食べ物を買いにきている「だけ」ではないので、うちのお店にとってお客様とコミュニケーションが取れる事は必須でした。
それに、牽引タイプだと地方での数日間のイベントの際に、ハコだけ会場に置き去りにして、ヘッド車でホテルなどに移動できるのも便利なんです。一体型だと車が壊れたら営業できない、と言うリスクもありますが牽引タイプだと他の車で引っ張っていけます。

マウラ

キッチンカーの魅力は十勝以外でも活動できる事。地方出張を見据えた時、ヘッドとボディを切り離せるのは便利ですね。

特別に中を見せていただきます。シンクが二層。

 

山中さん

食器洗いや調理用の他に手洗い用が必要なのでシンクは必ず2層必要になってきます。

マウラ

その辺りは普通に飲食店を開業する際の条件と同じですね。

外に排水。

 

山中さん

お水はたくさん使うので外に水タンクと排水タンクを置くお店も多いと思います。

マウラ

そっか!!お家やお店のように黙ってても水道から水が出てくるんじゃないのか!!聞くと当たり前だけど、想像もしていなかった!!

調理に必要なガス。シーガルさんは2穴ですが、必要な口数があれば大丈夫。

もちろん、ガスボンベも必要。店舗営業中は外に出します。

温めるだけのメニューやドリンクのみの提供であれば電熱調理器でも事足りる場合もありますが、キッチンカーで使える容量は限られてきますので一度調べて計算してみる必要性があります。

火気を扱う場合は換気扇も必須です。

あとは冷蔵庫に、

必須ではありませんが、夏イベントの出番が多いのでエアコンがあると尚よし。

細かいですがコンセントも。当たり前ですが電源は外部からとります。イベントによっては会場の電源を借りる場合もあるそうですが基本的には自店舗で発電機を用意しなくてはいけません。

 

マウラ

こうやって改めて見てみると、自分では気づかないような設備もあります。
山中さんはキッチンカーをやろうと思った時、一番最初に何をしたんですか?

山中さん

まずは業者さんと繋がることからはじめました。やはり一番大事なのは「キッチンカー」の入手だったので北海道でも数少ない移動販売車専門の『エクストリーム北海道』さんに色々相談させてもらいました。必要な設備や許可申請など全て知っているお店なので安心して任せられました。
自分で中古とか買って改装する人もたまにいますが、かなり専門性が必要なので結構難しいと思います。

マウラ

意外とここ落とし穴だよ、とか見落としがちだよ、ってことはありますか?

山中さん

例えば地方出張で数日間、ともなると一晩中発電機を回して置くわけにもいかない事が多いので冷蔵庫が使えなくなります。なので数日間冷凍したものが溶けない高品質なクーラーボックスを使っています。
あとは、ご存知ない人も多いと思いますが、原則としてキッチンカーの中で本格的な調理をすることは規則上できません。
例えば生鮮品を包丁で切る、と言う作業すらできません。
うちはそのできない調理の部分をOEM(外注)にしています。

マウラ

それはイベントとかで臨時で営業許可を取る時と同じですね。
「焼く」「揚げる」「蒸す」など、現場(会場)でやってもいいよ、と言う事が限られています。なので冷凍食品を使うことも多くなってしまいますね。
それを解決するにはシーガルさんのように専門の所に外注に出すか、自社で厨房を別途持つか、オーナーが許可をすれば飲食店の厨房を借りる、と言う方法ですね。

山中さん

そうです。なんでも自分の理想のお店をやりたいと思ってしまうと物理的に無理な事が出てきたり、OEMや間借り代などでコストがかかって販売価格も高くなる、と言う状況も生まれるので、線引きは重要になります。

マウラ

飲食店経験がないけどキッチンカー運営したい!!と言う方はまず、「こんなメニューでキッチンカーをやりたい」ということを保健所に相談してみることをお勧めします!!

マウラ

あと、気になるのは出店場所はどうやって見つけるの?ってことだと思うのですが。

山中さん

一番最初はとにかく自分からあらゆる所に問い合わせましたよ。こんなことをしてます、出店させてくれないですか、って。
ある程度出店回数が増えてくると会場側から出てくれませんか?って依頼がくるようになりました。出店料などはその会場によって全然ちがいます。

マウラ

最後に。キッチンカーを運営してみたい、と言う方達に何かメッセージはありますか?

山中さん

沢山のステキな出会いがあり、やりがいもあるお仕事です。もちろん大変な事もありますが、お客様に「美味しい!」と笑顔で言ってもらえると、何より励みになり頑張れます。 また、北海道は食の宝庫、その土地土地の沢山の新鮮で美味しい食材を使用して自分達が作ったメニューを、あちこちへ届けし、お客様に喜んでもらえるのも、ここならではの醍醐味かもしれません。 仲間も沢山できるので皆で助け合いながらキッチンカーのシーンを盛り上げて行きましょう!

車体一体型タイプ/ドリンクメニューver.のすすめ。

続きまして、車体一体型でドリンクメニューのみ扱う『Beer Bus On Yourside』さんに伺います。


『On Your side』さんは全国のクラフトビールを常時5種類以上提供しているビールのキッチンカー。

オーナーの松永さんにお聞きします。

 

マウラ

移動ビアバスをやろうと思って一番最初にやったことはなんですか?

松永さん

 まず経営者の方と直接会って色々質問したりお話伺ったりしたかったのでもうすでにキッチンカーを運営していた『シーガルキッチン』さんに会いに行きました。
「移動車でビールを提供する」のは最初から決定事項だったので、どうやって始めるか、継続させるかだけ自分で調べたり考えたりもしましたね。 経営自体が初だったので創業手帳を取り寄せたんですが、事業開始までの流れは分かりやすかったです。
キッチンカーの開業、経営の本も数冊購入して読みましたが、私の場合商材と提供方法が『アルコール』と特殊だったので実際は、、、(笑)。

移動販売を始める本なんてあるんですねー。

 

マウラ

ビールをキッチンカーで売る、と言うことが全国的にも恐らく松永さんが初だったと思うのですが、許認可とかはどんな感じでしたか?

松永さん

保健所に樽生ビール、カクテル等アルコール類の提供について確認に行きました。飲食店営業の許可の範囲内で問題ないとのことだったのでクリア。

次に警察に行き、深夜営業の可能性を考え風営法について確認。 事業形態、商材に前例がなく、様々な管轄を経て最終的には道警本部まで確認しないと正式な回答をもらえませんでした。道警からの回答はしばらくかかったと記憶しています。この辺りは非常にデリケートなので一概にこうすればクリアになる、とは私の方からは言い切れませんのでご自身でしっかりと確認する必要があると思います。

デリバリー(宅配)時の路上での販売について道交法を確認し、すぐ移動できる状態のまま固定出店せず、一時停止程度なら可能であることを確認しクリア。もちろん駐停車禁止だったり交通量が多い場所、狭い道路などは不可です。 

マウラ

そっか。アルコールやドリンクは「イベント出店」以外にも「デリバリー」の需要もあるからその辺りの確認も必要だったんですね。あとは「風営法」。お酒を扱うからこその決まり事。これは知っていないと抜け落ちそうな部分ですね。

車や設備はどうされたんですか?

松永さん

営業が法的に可能であることを確認してシーガルさんから紹介してもらった『エクストリーム北海道』さんに相談しました。 店舗のイメージは出来ていたので、概算見積り。 たまたま中古トラックの在庫が工場にあったので車両を確認して購入、改装契約しました。
相談しに行くだけの予定だったんですが、考える時間も無駄だと思ったので即決しました(笑)。 

中を見せていただきます。

 

マウラ

思ってた以上に狭い。

やはりシンクは二層。

業務用冷蔵庫。

 

マウラ

業務用冷蔵庫ってそれだけで貴重なスペースを使うことになると思うのですが。

松永さん

クラフトビールは全て冷蔵保存が絶対条件なので、ストック含め最大200リットル位は入るようにと。 その他にカクテル材料のソフトドリンク類もあるし。 最初のイメージの段階で4ドアの業務用冷蔵庫と、ストッカーは必須でした。

 

フードメニューを出さないのでガスなどはありませんが、『On Your side』さんと言えばこのビールタップ。

 

マウラ

タップって特殊な設備だと思うんですけど、これはどうされたんですか?

松永さん

帯広ビールさんに行ってビールサーバーまわりの設備を相談し、 納車後に自分で取付をしました。

マウラ

他に設備で気にしたことってあります?

松永さん

電気容量は固定店舗と違って有限であることが殆どなので、電気使用量合計を考えて電化製品を必要最低限にまとめました。 機械の不具合発生リスクもふまえ、電気式ではなくアナログな氷冷式サーバーシステムを採用したり。
クレジットや電子マネー等での会計に対応するためタブレットPOSレジと楽天ペイの導入もしました。

マウラ

アルコールって金額が大きいからカード払いにしたい人は多そうですもんね。細かく色々な手続きが必要なのは常設飲食店と変わらないですね。
オープンはどのような形で?

松永さん

十勝に知り合いや友達がほぼ皆無だったので準備期間中に人の集まる場所に潜り込んで人脈を作っていました。
プレオープンでの営業をケータリングで数件させて頂いて基礎のオペレーションを作り、その後正式にオープンとなりました。

そんな松永さんは今年自宅兼店舗となる物件を購入されました。

近い将来こちらは店舗として改修し、全国のボトルクラフトビールなどを販売するそう。

 

マウラ

これからキッチンカー運営を目指す人たちに何かメッセージはありますか?

松永さん

何にせよ楽に儲かる仕事は無いので、色々な問題にぶち当たると思います。 なぜ飲食店をやるのか? なぜキッチンカーなのか? コンセプトや信念をしっかり考えて、困難に立ち向かえる初心を作っておくと、心折れずに続けられると思います。
キッチンカーは対面の接客業でもあります。 サービス業であるというのが大前提なので、アルバイトでもいいから、接客業の良さと辛さがどういうものなのかを知った上で始めた方がいいと思います。
「自慢の料理を食べてほしい!」でも「メニューにはそこまでこだわらないけど儲けたい! 」でも、 目的は何でもいいと思います。 狭い店内、移動販売車独特の制約もあって、なかなか自由に思いどおりにならないことも沢山ありますが、 色々な場所で色々なお客様と会えるのが最大のメリットだと思います。 お客様のいる所に行って営業出来るのは、固定店舗でひたすらお客様を待ち続けるより、私は好きです。 行った先でお客様に喜んでいただけることが、ここまで来て良かった!という自分の喜びにしていただければと思います!

いかがでしたでしょうか。

ここまで具体的に経験談を聞くことはなかなかできないと思います。まだ具体的に始められない、と言う方も「食品衛生責任者」の資格は必ず必要になってくるので、これだけでも取ってみてモチベーションを高めてみてもいいかもしれません。1日の講習と受講料で取得できます。

 

マウラ

私はお二人の話を聞いて、これからの時代、移動販売車はフードだけじゃなく自分の世界観を魅せて売るツールとして雑貨屋さんや植物屋さん、レコード屋さんなど、様々な業種でも広がりを見せていくのではないかと夢が膨らみました。60年代ファッションの移動販売やりたいなー。いや。文房具屋さんもいいなあ。

あなたならどんな移動販売やりますか?


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