道東をもっと楽しむ Do-Life

MENU

郷土料理を掘り下げる。いもだんご編 〜食の寺子屋 直歩塾〜

2021.4.2

こんにちは! DO-Life特派員のマウラです。

 

マウラ

今回は「郷土料理」を掘り下げるべく、以前「災害時レシピ」でお世話になった『食の寺子屋 直歩塾』さんにおじゃまします!!

今更。。。だけど奥深い!!北海道の郷土料理「いもだんご」を掘る。

本日教えてくださるのはウラキさん(左)とナホさん(右)。お二人は親子です。


ナホさんは十勝で活躍する料理研究家で、全国の郷土料理を紹介するレシピ本でも北海道のページを担当されているほどの方。

今回はこのレシピに則って北海道と言えば、の「いもだんご」の作り方を教えていただきながら郷土料理についてお話をお伺いします。

 

ウラキさん

はかりを使わなくても上手にいもだんごが作れるコツがあるんです!!

材料はたった二つ。主役のじゃがいも。

 

ウラキさん

うちではいつも越冬したじゃがいもを使っています。越冬したら甘みが全然違いますよね。

そしてでんぷん。

 

ナホさん

この量のでんぷんは本州の人が見たことないので驚かれます(笑)。

マウラ

そっか。いもだんご以外で大量にでんぷんを使うことなんて無いですもんね。

まず茹でたじゃがいもをザルにあけ、

あたたかいうちに潰します。

潰す担当はナホさん。

 

マウラ

いもだんごって北海道の郷土料理ですよね。いもだんごってどのように生まれたんでしょうかね?

ナホさん

やはり北海道では昔からじゃがいもがよく採れてお米代わりで主食でもありました。兄弟姉妹も多かったのでお腹がいっぱいになるような「おやつ」として工夫と知恵のもと、生まれたんじゃないかと思います。

ある程度潰れたらすり込んでまとめていきます。

ここで四等分にしました。

 

マウラ

(何が始まるんだろう(´-`).。oO)

ウラキさん

これが、「はかりを使わずに美味しいいもだんごができるコツ」なんです!!

四等分にしたうちの一箇所を隣によけて空間を作り、そこにでんぷんを入れ始めました。

 

ウラキさん

ここの空間の分量のでんぷんを入れるとちょうど良いモチモチ加減のいもだんごができます!!

 

マウラ

うっわー!!これすごくいいですね!!いつもいもだんごを作る時、適当にでんぷんを入れて、繋がらなかったり硬くなりすぎたり。成功したことないんですよね。

ウラキさん

わざわざこれのためにはかりを出すのも面倒だし、じゃがいもの分量もその時によって変わるのでいちいち計算もしていられませんもんね。

でんぷんを入れたら粉がなくなるまでこねて、

ラップで包んで成形。

 

マウラ

ワタシも含めて通常は丸くすると思うのですが、なぜ四角なんですか?

ウラキさん

四角だと冷凍保存の時にかさばらなくて済みます。あと、焼く時も余分な隙間ができないから大量に焼けるんです。

マウラ

そっか!!丸だとどうしてもデットスペースができますもんね!!なんの疑問も持たずに丸にしてたー!!

1cm程度の厚さに切って、

多めの油を敷いたフライパンで焼きます。

 

マウラ

四角にしたおかげでビッシリ。

両面きつね色になったら出来上がり!!

タレも簡単。水・砂糖・醤油・みりん・片栗粉を混ぜたものを火にかけ、

とろみがついたら出来上がり。

 

ウラキさん

ほんの少しめんつゆを入れたらダシが効いてまた違った味になります。

そしてもう一つ、いもだんごの生地を生かしたアレンジレシピも教えていただきます。

 

ウラキさん

チーズ入りいもだんごです。

いもだんご生地を広げて、

薄く切ったチーズを入れて、

包むだけ。

 

マウラ

コロンコロンしてて可愛い。この形はお子様が喜びますね。

 

ウラキさん

こちらはバターで焼きます。

 

マウラ

間違いなく美味しいやつ!!

ナホさん

四国の人が遊びに来た時にこれを出すと、北海道で食べたものの中で一番美味しい!!ってすごく喜ばれるんです。

二つが焼きあがりました。

タレをかけて、

 

マウラ

いただきます!!

 

マウラ

美味しい(≧∇≦)!!!

 

マウラ

じゃがいもとチーズ。シンプルで鉄板の北海道食材の組み合わせだけど誇らしいくらい美味しい!!何個でも食べられます。
プレーンの方は周りカリカリ、中のモチモチ感が半端ない!!

ナホさん

そうでしょう?この作り方だと誰でも失敗なくモチモチのいもだんごが作れるんです。

お料理の専門家が考える「郷土料理」を掘る。

いもだんごをモグモグしながらお二人にお話を伺いました。

 

マウラ

誰もが漠然と知っている「郷土料理」という概念だからこそ、長年お料理に携わるお二人の考える「郷土料理とは」ってどんなことなのか聞いてみたいです。

ナホさん

昔から続いてきたということは、それ相当の「良さ」があるのが郷土料理だと思っています。時代が変わっても、昔の人にも今の人にも共通して愛される魅力。良き部分を残しながら削ぎ落とされ磨かれたものが郷土料理じゃないでしょうか。

ウラキさん

郷土料理は「日常」の中にあるからこそ愛されるのだと思います。「わざわざ作る」とか「難しい」ではここまで続いていません。

例えば農家さんでは蒸しいもを日常的に食べていて、その残りを潰していもだんごにして子供のおやつにする。そんな「日常」が続いてきた結果として「郷土料理」になったのだと思います。

その上で長い歴史上で残っているということは、味や材料、調理方法など様々なことにおいて優れているのだと思います。
郷土料理というものは、一見シンプルで田舎くさく見えるけど、実はいろんなことに耐えて生き抜いてきたメニューです。
私は現代の台所と現代の人にあった調理方法で、郷土料理を伝えていきたいですね。

マウラ

さて。今回もお聞きしますが、車は何に乗られていますか?

ウラキさん

スズキのエブリィに乗っています。子どもたちが独立して送り迎えの必要が無くなったり遠出もしなくなったので、軽自動車で良くなりました。エブリィは貨物車仕様なので 料理講座などの備品を載せやすいのも理由です。 今の自分のライフスタイルにちょうど良いですね。

今まで考えたこともなかった「郷土料理」の概念。家族や地元食材への普遍的な愛情が詰まったものが「郷土料理」なんだと実感しました。

今流行りの発酵食品にも詳しいお二人。十勝って牛乳を使うチーズや魚を使ういずし、豆を使う味噌などなど。意外と「発酵大国」でもあるって気づいたので、今度は発酵食品についても深掘りしてみたいと思いました。

「発酵食品深掘り」の回もお楽しみにー!!!


食の寺子屋 直歩塾(なほじゅく)

住所 〒080-0024 北海道帯広市西14条南29丁目1−5


営業時間
 予約制(食に関する様々な教室がございます。お気軽にお問い合わせください)
TEL 0155-48-4469・080-5584-8022(浦木)
Facebook https://www.facebook.com/nahojuku/
WEBサイト https://syokunoterakoya.com/

この記事もおすすめ