道東をもっと楽しむ Do-Life

MENU

十勝移住者のすべて@舞台俳優から畑へ 山田大介さん

2021.8.23

こんにちは! DO-Life特派員のマウラです。

 

マウラ

十勝にも割と移住者が多くなったなと感じる今日この頃。マウラの知人のおよそ6割も移住者となります。
これからも続くであろう地方への移住希望者のために、十勝に移住してきた方の体験談を定期的にご紹介していきたいと思います。

不安だったのはやはり収入面。。。複数の仕事をする事で理想の収入に近づいています。

十勝移住者のすべて』第1回目は誰もが知る大きな劇団に所属していた経歴もある帯広市内在住の山田さんです。


十勝へ移住して5年。様々な活動をしている山田さんに田舎の良いところ、不都合なところを正直にお話いただきました。

 

マウラ

早速ですが山田さん。十勝に来るまでの経緯を教えてください。

山田さん

出身は福岡で一番長く住んだのは神奈川です。十勝に来る前は舞台俳優として全国に出張したりしていました。
子育て環境として母方近くがいいという理由で、2016年に妻の実家がある帯広に移住する事になったんです。

マウラ

都市部から田舎への移住。一番不安だったことって何ですか?

山田さん

子育てに差し支えない程度の収入が確保できるかどうか心配でした。

マウラ

やはり田舎への移住を考えた時に一番ハードルとなるのが収入や仕事の面ですよね。それはどうやって探したんですか?

山田さん

地域おこし協力隊として3年間はベーシックインカムがありました。全国的に「総務省が協力隊事業をやっている」と聞いたので帯広市はどうかと調べたらちょうどやってたって感じです。協力隊の時は観光課に所属しており帯広のスイーツのPRや幸福駅、愛国駅の観光地整備事業に従事しました。

マウラ

地域おこし協力隊は3年という短い任期です。「子育てに差し支えない程度の収入」に関する不安はこちらへ来て払拭できたのでしょうか。

山田さん

通常の就職の形での理想の収入の確保は厳しいと感じました。

マウラ

「就職では理想の収入確保は難しい」と感じたのはなぜでしょう?

山田さん

ハローワークの求人票をざっと見て、お給料の相場が20万円前後だったので教育費の積立を考慮すると少ないと感じました。なので複数の職業と起業を並行して行う事が出来ないか模索して今に至ります。今は目標とする年収に近づいてきていますね。

マウラ

今はどんな働き方をされているんですか?

山田さん

2017年に『とかちフレンドシップ(TFS)』を開業しました。これは十勝で働く外国出身の方々が住みやすい環境を作っていくことを目的に設立しました。2017年以降、帯広市との共同主催等で十勝管内在住の外国人交流会などを実施してまいりました。現在、人が集まる形のイベント等は中止していますが、生活などの相談を受けたり外国出身の方々にとって有益な情報を共有していく等の活動を行っています。

この活動ではマウラが運営する「ジャポネスクパレエド」でもお世話になっており、定期的に外国出身の方に着物や和菓子作りを体験していただいてます。

これらをきっかけにベトナムのお友達も出来、民族衣装交換会や個人宅でBBQなども楽しみました。

またマウラ個人の体験から「十勝にも海外から仕事を手伝いに来てくれている人たちがたくさんいるんだよ」と知ってほしくて今年自費でフリーペーパーも発行しました。

数年前には想像もしていなかった事です。山田さんと会っていなければ彼ら、彼女たちの存在に気づく事もなく過ごしていたのだと思うと「知らない、知ろうとしない」って罪だなと思い知らされました。

 

マウラ

とかちフレンドシップ(TFS)以外に現在の収入源となっている活動についても教えてください。

山田さん

私を含めた5名で「ミナイカシ」という農業団体を立ち上げて、化学肥料を一切使わない有機野菜を作っています。有機JAS認証を取得したばかりの新しい団体ですが、新鮮な野菜を作って販売する方法を確立しそのノウハウを提供することで移住しても都会と遜色のない収入源を確保できる形を作っていきたいと思っています。

有機JAS認証の取得は決して簡単ではありません。皆さんが大切に育てた野菜。早く食べてみたいです。

 

マウラ

山田さんの今後の展望などはありますか?

山田さん

以前のように人の交流が憚られない環境になったら、以前本別高校で実施させてもらった、高校生と地元で活躍する技能実習生との意見交換会を実施したいと思っています。

働きに来た外国人も管外からやってきた日本人も同じ「十勝への移住者」であり、「21世紀の開拓者」です。先に住んでいる人々と新たに来た人々が互いに理解しあえる状況が醸成されていくことに少しでも貢献していきたいと考えています。

マウラ

十勝と田舎の違いってどういうところにあると思いますか?

山田さん

都会は便利で田舎は不便です。 しかし、都会の物が溢れている生活を人の体に例えて肥満状態であるとすると田舎はいいダイエット効果が期待できるように感じます。

マウラ

わかりやすい表現ですね笑。私も「十勝」で充分だと思っています。わざわざ他の地域に行く必要性を感じなかった、つまり「十勝で足りた」から46年十勝から出た事がないんです。
さて。今後十勝やその他地方への移住やUターンを考えている人に向けて何かメッセージやアドバイスはありますか?

山田さん

数年前と比べても移住のハードルは下がっていると思います。リモートワークができる状況も増えましたし、自治体によるお試し移住などの制度も存在します。白か黒か、移住するかしないかみたいに身構えず、まずは短期で観光と情報収集を兼ねて滞在してみてはどうでしょうか?身構えないで、ゆるーく十勝に滞在すれば、きっと十勝のいいところが見えてくると思います。

マウラ

貴重なお話ありがとうございました。
最後に。皆さんに聞いているのですが車は何に乗ってますか?

山田さん

2000年式のハイエースに乗っています。なるべく多くの人を乗せられる車がほしいと思っていたときに知り合いの方が車を買い替えるので不要になったという情報があり即買いしました。古いですが、壊れることもなく丈夫なところが気に入っています。

山田さんは前職とは全く違う職種を現在されています。地方への移住ってもしかしたら今まで自身が気づかなかった「興味」や「できる事」へのチャンレジの扉なのかもしれません。今後も十勝の「移住者」たちに裏もオモテも聞き出していきますのでお楽しみに!!


とかちフレンドシップ(TFS)

Facebookページ とかちフレンドシップ

この記事もおすすめ