道東をもっと楽しむ Do-Life

MENU

木版画多色刷りに挑戦! 十勝では珍しい木版画作家さんを深掘り@大樹町下山明花さん

2021.8.24

こんにちは。DO-Life特派員マウラです。

 

マウラ

先日、大樹町で木版画のワークショップがあるというので参加してきました。木版画作家の下山さんにもたっぷりお話を聞いてきました!!

木版画の多色刷りワークショップ!!素人作品の出来栄えはいかに!?

木版画作家の下山明花さん。

酪農のお仕事をしながら作家活動もしています。
Y-art-gallery」「This isGallery」では自身の作品を販売しているほか、地元大樹町の「道の駅コスモール大樹町」で作品のポストカードも売られています。


作品は緻密で繊細。現実なのか空想なのか。独特な世界観に引き込まれます。

マウラ実は彫刻が割と好きなので、木版画もとても興味はあったのですが、もちろんそれを製作できる機会などなく、SNSで木版画ワークショップの告知を見たときは何も考えず秒で申し込みました。

とは言え告知されていたのは↑この情報だけ。当日までマウラの中では「小学生の時にやった白黒の『リコーダーを吹く友達』みたいな感じかな」なんて思っていましたが、なんと多色刷りだったのです。テンション上がりました。

と、同時に「各自完全オリジナルの絵柄」の版画を作ると聞き焦りました。

 

マウラ

なんせ絵がヘタなもので。。。

という事で全て「マル」で描ける空想の「宇宙」をテーマにデザイン。

ユニコーンは下山さんに手伝ってもらってなんとかそれらしく。。。右側の小さいコマは「彫るところと彫らないところ」を分けたもの。「多色刷り」は小学生の頃の版画と違い、複数の「版」を用意するところから始まります。言葉で説明するのは難しいのですがつまりは「たくさんの板を彫る」ことになります。

↑こんな感じで木に書き写します。これだけだと何がなんだかわからないですよね笑。マウラはこの「平面の作品を作るのに立体的にレイヤーを作り上げていく」行程がどこか数学的で大好きでした。

↑途中、彫ったものを撮り忘れたのでいきなり色がつきました笑。ここまで来てもおそらくみなさん「なんでなんでー?」「これがどうなるの〜?」って思ってますよね笑。

↑刷ったものがこちらになります。

 

マウラ

惑星の彫りが甘くてシマシマになっちゃったけど上出来!!!色合いも好きだし、(下山さんに手伝ってもらった)グラデーションも超綺麗!!

あの版木が↑こうなるわけです。少しはイメージできたでしょうか。
版画の面白いところって、版はいくらでも再利用できるので同じデザインでも違う色味の作品が延々作れてしまうところ。お家で刷る用に下山さんお手製の「ばれん」をいただきました。

他お二人の参加者の作品がこちら。

 

マウラ

全員が小学生以来の版画でしたがどれも個性的で素晴らしい!!

下山さんにお話を伺います。

 

マウラ

札幌ご出身とのことですがなぜ今、大樹町で活動されているんですか?

下山さん

22歳の時、美大卒業を機に「若手芸術家地域担い手育成事業」に参加し、大樹町に移住しました。
大樹町に来てからは、酪農ヘルパーとして働いていました。 ですが、制作活動との両立が難しく、ヘルパーの仕事を辞めて、複数の牧場でバイトをしました。現在は牧場の従業員として朝晩の搾乳の仕事をしながら、日中の空き時間を使って木版画の制作活動をしています。

マウラ

酪農家であり木版画作家さん。面白い肩書きですね。
木版画作家としての活動を教えてください。

下山さん

内外のギャラリーで作品を展示・販売したり、最近は木版画のワークショップを企画したり、オーダー作品の受注制作をしたりしています。

マウラ

ワークショップはなぜやろうと思ったんですか?

下山さん

ワークショップを始めた理由は2つあります。 一つ目は、自分の好きなこと、得意なことでの収入を増やしたかったからです。 二つ目は、一緒に制作をする仲間が欲しかったからです。大樹町にきてから5年が経つのですが、現在は毎日ひとりで制作活動をしています。ひとりでずーっとこもって制作していると煮詰まってきてしまうので、そんな時に「ここが良いね!」とか「こうしたらいいかも!」とかお互いの作品をみて言い合える仲間が欲しいなと思うようになりました。 いないのならつくろう!と思い、版画の普及活動も兼ねてワークショップを企画しました。

マウラ

ワークショップの目的が仲間集め、とは。思いもよりませんでした。
今後もワークショップの予定はあるんですか?

下山さん

ワークショップから版画教室に移行していきたいと思っています。 現在は、一名様からでも教室の予約を受け付けています。 1作品¥3,000~で1日から2日程度で一つの版画作品をつくるといった内容です。

マウラ

私もすっかり多色刷りの魅力にハマってしまいました。大樹町という帯広からの遠さが少々ネックではありますが笑。また下山さんに教えてもらいながら版画制作をしたいです。
さて。作家さんとしての活動は今後どのような感じでなのでしょうか。

下山さん

今後は9月10月の2ヶ月間、札幌の「おうちごはん 野の」というお店で展示が決まっています。 11月には大樹町の生涯学習センターで展示を行う予定です。

マウラ

大樹町での展示は絶対に観に行きます!!
今後の展望などはありますか?

下山さん

将来的には自然が沢山あるところに自分のアトリエを作りたいです。 アトリエでは、版画教室や色々なワークショップを開いたり、版画を作りたい人、絵を描きたい人がアトリエとして自由に使えたり、コワーキングスペースとして使えたり、ギャラリーとして使えたり、とにかくアートに興味のある人も無い人も、様々な人が集まって自由に使えるスペースとして運営したいなと思っています。 そんな環境で暮らしながら、色々な人との交流の中で作品を作って行けたら、すごく楽しそう!と思っています。

マウラ

十勝にはまだまだ芸術分野の文化が根付いていないのでワクワクしますね。
読者の皆様にお伝えしておきたいことはありますか?

下山さん

版画教室はいつでもご予約受け付けています!ご興味のある方はメール又はInstagramのDMからご連絡ください。 作品や展示のご案内はInstagramからご覧いただけます! mail→asuka.shimoyama24@gmail.com Instagram→@asuka.shimoyama

マウラ

最後に。みなさんにお聞きしてるのですが下山さんはなんの車に乗っていますか?

下山さん

日産のキューブに乗っています。 ずっと四角い形の車が好きだったので、はじめての車はキューブにしました。 デザインがとても好きです!笑 大きな作品も積み込めるので、重宝しています。

本格的な木版画制作を体験しマウラもいつもとは違う脳みそや細胞を使いました。やっぱり「アート」って概念はふんわりしているけど大きくて不思議な力があります。
皆様も日常から離れて木版画の世界に飛び込んでみませんか?黙々と木を彫って少しずつ形作られていく時の没入感。おすすめです!!


下山明花

作品の展示・販売サイト
Y-art gallery 下山明花
This is Gallery
メール asuka.shimoyama24@gmail.com

この記事もおすすめ