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北海道の運転は「シカ」に注意! 運転中に見つけるポイント&事故後の対処法は?

2022.4.15

 

シカ

シカ….

シカ……!!!!!

「シカ多すぎやろ!!」

こんにちは。
阿寒町地域おこし協力隊の崎です。

冒頭から叫んでしまいました。失礼しました。笑
というのもですね、北海道民からすればごく当たり前なのかもしれないんですが、移住してきた私にとって最初に「ええ!」と驚きを隠せなかったのが、まさに

「シカの多さ」

です。本当に多いよね。どこにでもいる。

で、またこのシカが厄介なのがですね、大人しく森の中で過ごしてくれればいいものを、なんと道路を横断してくるわけですよ。ほんと。
奈良公園のシカみたいに、クルマを待ってお辞儀して横断歩道を渡ったりしてくれません。

いきなり飛び出してくるんです。
衝突事故の現場を何度も見かけました。

私自身も危ない場面を経験しています。
少しずつシカが多い場所や、道路脇のシカを見つける特殊能力みたいなものが身についてきましたが、移住して間もない方や観光で来られる方にとってはそんな能力が備わっているはずありません。

そんな「飛び出すシカ」を運転中にどうやって注意すればいいのか、衝突事故を起こさないためのポイント、そして万が一事故を起こしてしまったときの対処法などを今回はまとめてみました。

釧路・根室は道内の屈指の「シカ衝突事故発生地帯」

数ある北海道の道路の中で「シカ衝突事故率No.1」の道路が釧路、根室管内にあるのをご存知でしたでしょうか?その道路は…

国道44号!


釧路から根室方面へ抜ける国道です。根室方面への観光などで利用される方も多いのではないでしょうか? ですが、この道でなんと全道のシカ衝突事故の約11%が発生しているんです。

そしてさらに、道内事故率第4位に「国道240号」がランクイン。

この道は釧路から阿寒湖方面へ抜ける国道になります。また、釧路空港を出てすぐの国道でもあるため、釧路空港でレンタカーを借りた観光客にとっては1番最初に走る国道でもあります。そんな道がなんと道内シカ事故率4位の道なんです…


他にも第8位に「国道272号」と釧路・根室エリアにはシカ衝突多発道路が集中しています。自然豊かな道東エリアだけに、シカとの衝突事故数も多いのです。

運転中にシカにどうやって気をつける?

「いやいや、シカとぶつかったってバンパーが凹む程度でしょう?」

そう思われている皆さん。
残念ですが、それは違います!まともに衝突すれば廃車レベルの大事故になります。

北海道に生息するエゾシカは体長の大きいもので高さ1.7メートル近くになり、体重は100kgを超えるものもいるほど。皆さんが思っている以上にシカは大きくてそして強いんです。

▲道路脇すぐの場所にいたオスのエゾシカ。かなりの大きさだった。

事故を起こさないためにも、北海道の道路ではスピードを抑えることは必須です。一直線だし、見晴らしも良いし、スピードを出したい気持ちめちゃくちゃわかります…! でもまずは安全第一、スピードを抑えましょう。

とはいえ、シカとの衝突のリスクが格段に下がるわけではありません。他にもシカに対する対策を取りたいですよね。

ということで今回は、シカ衝突事故を防ぐための術を、実際に北海道に住む地元の人に聞いてみました。やはり地元民の声は説得力が違う…。常に北海道の道を走る地元の人がシカに対して気をつけているポイントをまとめてみました。

①早朝と夕方は特に気をつける

聞いていく中で圧倒的に多かった意見がこちら「早朝と夕方に気をつける」。

エゾシカは朝と夕方に主に活動が活発になる習性を持っています。また、川が近くを流れている道路(国道240号線など)では要注意!川の水を飲みに道路を横断することが頻発するそう。

地元の方も早朝と夕方〜夜は特に注意して運転すると仰っていました。


②春と秋は特に要注意!

シカとの衝突事故は「4月〜5月」の春と、「10月〜11月」の秋シーズンに最も増加する傾向が見られます。

これはエゾシカの「大移動」をする習性によるものと考えられています。夏と冬で生息地を移動させるエゾシカにとって、春と秋はまさに「移動シーズン」。移動先への通過点となる道路では、特に事故率が高くなるわけです。

「春」と「秋」は特にエゾシカに注意して運転する必要があります。


③夜間に少しでも何か光ったらブレーキ

「何か光った?と思ったらとりあえずブレーキだね」こちらも多くの方から寄せられた意見でした。

シカに限らず、動物の目はヘッドライトの光を反射して光ります。暗闇の中で少しでも何か光ったな、いつも違う違和感を感じたら、まずはブレーキを踏みましょう。それがたとえ動物じゃなくたってそれはそれでいいんです。

とにかく何かいつもと違うと感じたらブレーキを!!


④シカは1頭だけじゃない!

エゾシカは群れで行動するのが基本です! 不思議なもので、群れの1頭が道路を横断すれば、それに続くように2頭目、3頭目とシカが次々と飛び出してきます。1頭渡りきったからと言って油断しないこと!その次がいないかどうかをしっかりと確認することが大切です。


⑤ブレーキ痕を見かけたら要注意!

市街地以外の平地部や山間部を走っていて、道路にブレーキ痕があればそれは誰かがシカと出くわした印かもしれません。
その一帯がシカの活動範囲の可能性があります。ブレーキ痕を見かけたらまずはスピードを緩めて、注意しながら走りましょう!

もしシカ(野生動物)と衝突してしまったら?

万が一の時のために、シカや野生動物に衝突してしまった時の対応も頭に入れておきましょう。

①まずは警察に連絡

万が一、シカなどの野生動物と衝突してしまったらまずは警察に一報を入れましょう。この時、事故の場所に加えてドライバーや同乗者に怪我などはないか、ガードレールや後続車との接触がないかを伝えます。

事故を起こした場所がわからないときは…

事故を起こした正確な場所がわからない時は、一般道の場合は道路脇の電柱や矢羽根付きポール(道路の端を示す矢印のついたポール)に書かれている「番号」を、高速道路の場合は「キロポスト」と呼ばれる看板に記載された数字を伝えます。
この数字を伝えることで、警察は正確な住所を把握することができます。

▲道路の端を示す北国ならではの「矢羽根つきポール」

▲ポールや電柱にはこのような番号が記されている。この番号を警察に伝えることで正確な場所の特定が可能。

▲高速道路の場合は、上の写真にあるように、100メートルおきに設置された「キロポスト」に書かれた数字を警察に伝えれば、警察が正確な位置を把握することができます。


②なるべく動物を道路脇へ移動させる

接触した動物が、道路上で死亡して倒れてしまった場合は、後続車との二次被害を防ぐため、可能な限り道路脇に移動させましょう。
移動させる際は、動物を素手で触らないように注意しましょう。移動させた動物は、警察から道路管理者または自治体に連絡が行き処理してくれます。

動物が暴れたりなどで移動や保護が難しい場合は、動物病院や保護施設に連絡をし、その指示に従います。治療費等は基本的にドライバー負担になります。

「エゾシカ衝突事故マップ」を参考に!

シカとの衝突事故が近年増加傾向にあるのを受け、注意喚起としてこのような「エゾシカ衝突事故マップ」という冊子が国土交通省 北海道開発局より発行されています。

こちらは特に事故の多い「釧路・根室」に特化したマップ。

中身はこのように、事故の多い道路がわかりやすく記載されたマップや、エゾシカ衝突に対する注意事項や万が一事故を起こした時の対処法などが書かれています。

レンタカーの受付窓口や道の駅の情報コーナーなどに設置されているので、ぜひ一冊持って観光やドライブを楽しんでいただければと思います。

今がまさに、エゾシカの「大移動シーズン」です。運転する際はくれぐれもお気をつけて!

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