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町の魅力を伝え、出会いが生まれるゲストハウス@ゲストハウス&バー モコロ

2023.10.28

2023年5月、JR芽室駅から程近い住宅街の中に『ゲストハウス&バー モコロ』がオープンしました。

ゲストハウスと言っても見た目は少し古めのお家。上がらせてもらうと、どこか懐かしい雰囲気が漂います。

1階はラウンジ&バーで、2階は宿泊スペース。部屋は男女共同のドミトリーと個室が用意されているので、お好みに合わせて泊まることができそうです。

今回は、ゲストハウスをオープンさせるに至った経緯やゲストハウスに込めた想いを、オーナーの芳野 都馬(よしの とま)さんに伺いました。

 

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中津

本日はよろしくお願いします!まずは簡単な経歴を伺ってもよろしいでしょうか?

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芳野さん

出身は群馬で、今は25歳です。北海道での暮らしに憧れがあって、大学卒業のタイミングで芽室町に移住をして地域おこし協力隊になりました。芽室町に来てからは教育委員会に配属され、小学校や中学校と地域を結ぶ活動を主にしていました。

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中津

学校と地域を結ぶお仕事とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか?

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芳野さん

例えば、地域の人が子供たちの見守りをするときに学校と地域の方を繋いだり。あとは「芽室ジモト大学」という町の高校生たちのキャリア教育や地域活動のコーディネーターもやらせてもらっていました。高校生と一緒に企画を考えて、町の方に協力してもらい実行するといったことをしていましたね。

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中津

なるほど!芳野さんは元々教育分野の知識や経験があった状態で芽室に移住してきたのですか?

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芳野さん

そうですね。昔は教員を目指していたのですが、大学で教育について勉強するうちに社会や地域で子供たちを育てるということに関心を持つようになりました。たまたま僕が芽室町に移住するタイミングで「芽室ジモト大学」が始まったので、そこのポジションを担当させていただくことができました。

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中津

すごい!タイミングぴったり!北海道に行きたいという思いと、大学時代からの関心がリンクしたんですね。

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芳野さん

なので、芽室町に来るべくして来たなという気持ちがあります。協力隊の活動は終わった今もまだ教育委員会では週3日間勤務させてもらっていて、「芽室ジモト大学」の活動は続けさせてもらっています。

 

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中津

地域おこし協力隊の卒業後にこのゲストハウスがオープンしましたよね。このゲストハウスの構想はいつ頃からあったんですか?

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芳野さん

大学時代にゲストハウスによく泊まっていたので、宿泊施設とかスペース作りをやりたいという思いはずっとあったんですよね。なので、芽室町の方々と出会ったときからずっとお話はさせてもらっていました。芽室町に来た後も「任期後にゲストハウスがやりたいんです」と、いろんな方にお話しさせてもらっていましたね。

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中津

では、芽室の人たちも芳野さんがゲストハウスをやりたいと思っていることは理解してくれていたんですね。地域おこし協力隊の活動もある中で、ゲストハウスの準備はどのように進めていったのでしょうか?

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芳野さん

基本的に芽室町の協力隊として月曜日から金曜日の朝から夕方まで役場で働いていたので、夜の空いている時間や土日に準備していました。ただ、どうしても2年目くらいまでは協力隊の業務で手いっぱいな状況ではあったので、実質3年目の卒業が見えてきた段階で本格的に準備をスタートさせました。

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中津

なかなか時間に制約がある中での開業準備だったんですね。ちなみに準備は何から始めたのでしょうか?

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芳野さん

共感者や応援してくれる人を集めるところからでしたね。実際にリノベーションを進めていく中でクラウドファンディングもやらせてもらったのですが、そういったことを通していろいろな人に支えられながら準備を進めていきました。

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中津

一人じゃできないからこそ仲間作りは大切ですね。クラウドファンディングをやる上で、大事にしたことや意識したことってありますか?

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芳野さん

リターンの設定にはこだわりましたね。ゲストハウスが行うクラウドファンディングのリターンといえば宿泊券がメインになることが多いと思うのですが、それ以外にも芽室町民の顔が見えるものを作りました。 自転車ガイドさんのサイクリングツアーだったり、地域のお菓子屋さんのお菓子詰め合わせだったり、農家さんが作る野菜だったり。

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中津

すごい!まるでふるさと納税の返礼品のようですね!その狙いはどのようなものだったのでしょうか?

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芳野さん

事業者さんが元々持っている繋がりを通して多くの人にゲストハウスを広めていきたいという気持ちもありましたが、クラウドファンディングを通じて芽室町を知ってほしいという思いも大きかったです。3年間協力隊として色々な方にお世話になったので、その恩返しをしたいなと。

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中津

その芳野さんの想いを実現するためには、クラウドファンディングはぴったりの手段ですね!

地域住民との交流を作り、芽室町のファンを増やしたい

地域の方々に手伝ってもらいながら空き家のリノベーションを進めていき、無事にゲストハウスを完成をさせることができました。手作りのゲストハウスに込めた芳野さんのこだわりをお聞きしました。

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芳野さん

外から来た人と地域の人が交流できる場をずっと作りたかったので、宿泊機能だけじゃなくバーがあることがこだわりです。最近だとイベントが再開しだしたので、外国の方も来てくれたりして交流が生まれることもあります。なので、そういった動きをもっと進めていきたいなと思いますね。

 

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中津

その土地ならではの交流ってすごく素敵ですね。そういう場を作りたいと思ったきっかけはあるのでしょうか?

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芳野さん

自分が大学生の時に泊まっていたゲストハウスって寝るだけというスタンスのところももちろんあったのですが、1階にバーやカフェがあるところもあって。そういう場所には地域の方が来てくれることも多くて、観光客だった自分にいろんな地域の情報を教えてくれたり、町の面白いところや面白い人を紹介してくれたり…。その経験は大きいです。

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中津

そうしたら、ここに泊まるお客さんには、ただ寝るだけというよりもぜひ交流を楽しんでほしいということですね。

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芳野さん

はい。芽室町を見てファンになってもらいたいって想いがあるので、タイミングがあったお客さんには新嵐山の展望台まで車を出したりしたこともありました。もっとしっかりした観光をしたい方には地域のガイドさんを紹介したりもしますが、それにも一緒に行くこともありますね。

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中津

確かに、町って1人で歩くよりも知ってる人に案内してもらうことでより好きになったり見え方が変わることってあります!芳野さんの力でこれからますます芽室町のファンが増えそうですね。

バーカウンターには北海道や十勝で作られたお酒たちがずらりと並んでいました。ノンアルコールのカクテルも用意されているので、飲めない方でも大丈夫です。

集まる人の夢を応援できるような「拠点」に

ゲストハウスを作りたいというかねてからの夢を形にした芳野さん。しかし、今も芳野さんの想いはどんどん膨らんでいっているそうです。

 

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芳野さん

ここに来ればいろんな人と会えるという、芽室町の拠点のような場所にしたいですね。なので、その基礎作りをしっかりやるために、今はその一環でこの場を使ったイベントを開催しています。間借りカフェとか、せんべろイベントとか、帯広の酒屋さんをお呼びして日本酒を勉強する会とか。色んなイベントをやりながら、どういう需要があるのかを模索中です。

過去にはケバブをイベントで販売したことも。(芳野さんより写真提供)

 

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中津

イベントがあることでゲストハウスを訪れるきっかけも作ることができますね。イベントを企画をする時のポイントは何かあるのでしょうか?

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芳野さん

人の夢を応援するということも今後やっていきたいことの一つなので、イベントをやりたいと言ってくれる方からどういうことをやりたいのかをまず聞かせてもらいます。

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芳野さん

芽室に来たばかり時に「この町の魅力って何ですか?」と周りに聞いたことがあったのですが、皆さん必ず人って言うんです。 それって最初はよくわからなかったけど、3年間活動させてもらう中でチャレンジする人がすごく芽室には多いなと思ったし、何より夢を応援してくれる人も多いんです。自分はずっと応援される側でしたが、一旦は「ゲストハウスを立ち上げる」という夢を叶えたところなので、次は応援する側に回ってみたいなと思っています。

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中津

応援の循環が生まれると、芽室町がさらに魅力的な町になりそうですね!これからの町の変化が楽しみです。本日は素敵なお話をたくさん聞かせていただきありがとうございました!


まだ若いながらもゲストハウスのオーナーとして走り出した芳野さん。このお話を聞かせていただいた日も、ラウンジでは地域の方が黙々と作業をしていました。気になったので声をかけてみると、芽室町の特産品である落花生を使ったイベントの準備中だとか。

芳野さんと地域の方とのお喋りをゆっくり楽しみ、そろそろ帰ろうかと思ったとき、「そういえば農家さんにじゃがいももらったんだけど、持ってく?」とお裾分けをいただいてしまいました。

こんな思いがけない出会いがあるから、ゲストハウスって素敵なんです。みなさんも芽室町の魅力的な人たちに会いに「ゲストハウス&バー モコロ」をぜひ訪れてみてくださいね。


ゲストハウス&バー モコロ

住所 
北海道河西郡芽室町西1条2丁目13−1
Instagram ゲストハウス&バー モコロ 
営業時間 チェックイン17時〜、バー営業18時〜22時
定休日 instagramにて確認

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