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数々の賞を受賞したチーズ!エネルギーたっぷりの『共働学舎新得農場』前編

2023.10.24

こんにちは!DO-Life記者の二川です。
今回は、前回の取材先である沖商店さんからご紹介していただき『共働学舎新得農場』さんへ取材をさせていただく事ができました。
前編は共働学舎新得農場さんについて、後編は敷地内にあるカフェミンタルさんの記事お届けします♪

場所はナビを使い向かったのですが、看板もあるので迷うことなくたどり着けました。

農場の中が広いのですが、散策マップがあるので大丈夫でした♩
駐車場もミンタルの目の前にあります。

二川

向かう途中で猫、ニワトリ、牛に会えました。のびのびしている姿に可愛くて癒されます。

広報の岩間さんとまずやりとりをしたのですが、優しく親しみやすいお母さんのような方で一気に緊張がほぐれました。
岩間さんのおかげで、講演会などで忙しい代表の宮嶋さんとお話をする機会を頂けました! バター作り体験などを行うカリンパニでお話をお聞きします。


ラクレットチーズを日本で最初に作ったチーズ職人

 

二川

お忙しい中ありがとうございます、よろしくおねがいします。共働学舎で働こうと思ったきっかけは何ですか?

宮嶋さん

父が自由学園の英語の教師をしていたのですが、教師を辞め長野で共働学舎を始めた。僕は長男だからね。ゆくゆくはやろうと。
ただ中学生の時から大学の頃まで、岩手の牧場でアルバイトをしていて、その時知り合った友人から米国ウィスコンシン州での酪農実習を進められてね。

保険会社に就職の話もあったのだけど、大学を卒業してすぐ日本を出てアメリカに行ったよ。簡単にはできない。プロとしてちゃんと牛を勉強したいと言ってね。

宮嶋さん

実習先はブラウンスイス牛のブリーダーで、2年間牧場で働いて2年間ウィスコンシン大学にも行きましました。面積が小さく傾斜がきつい所では、ブラウンスイス牛が有利な事を学んでいる。日本の環境にブラウンスイス牛は合っているのではないか?という思いはあった。そしてどうやったら日本で買えるかを考えた。

宮嶋さん

昭和58年アメリカでトップレベルの牧場に話をして、ブラウンスイス牛を輸入できないか話をもちかけ1頭40万円で買ったが、輸入の手続き後3週間の検疫を経て90万円を超えてしまった。周りには高い買い物だね。と言われたよ。

二川

共働学舎を作ったお父様もすごいですが、アメリカで勉強をして現地の方法をそのままやるのではなく、日本に合う環境作りを考える宮嶋さんはすごいです。

 

宮嶋さん

その後フランスに行くチャンスがあり、最初のチーズ工房を見ると環境のコントロールや味が良くなるために熟成庫の下に炭を敷いていたんだよね。そしてフランスのチーズ業界のトップに会った。世界のトップだよね。電気を使うと味が落ちると教えてくれ、そこで食べた食事はすごく美味しかったよ。

宮嶋さん

工業化すると味が落ちる為フランスの位の高いチーズは手作りが多い。共働学舎は精神的に多くの悩みを抱えた人たち、身体的な病気を抱えた人と仕事をする。彼らの出来る事を生かして、いかにチーズを作るか考えて手作業なんだけどフランスの工房とよく似ているよね。

二川

チーズを本格的に作るきっかけが、フランスだったのですね。フランスのトップの方とお話できる宮嶋さんは、世界からも愛されるお人柄な証拠です!そんな宮嶋さんのお話が聞けるのは贅沢な時間です。

宮嶋さん

チーズの工房は衛生管理をしっかりしないといけなくてね。微生物を使う事で牛のにおい、ハエが羽化するのを防ぐ。糞尿処理も簡単に出来るから炭を十字にいれ木造で環境微生物のコントロールをしているよ。小さい頃から植林地を走り回っていて、木とは交友関係だったのもあり僕が建てる建物は全部木。

宮嶋さん

木が太陽のエネルギーを利用して光合成しすべての生き物がそのエネルギーを使って生きている。牛舎は木造で牛が座っている下に炭。エネルギーが巡る。鉄はエネルギーを逃がしちゃうけど、木は必要なエネルギーは保有するが、それ以外は流す。だから良いんだよね。逆に気が滞ると悪い気がたまる。だから日本の古い習慣では、滞る所を神主さんはお祓いをする。

宮嶋さん

気を微生物は感じているからこそ、元気でやる気になっている人がチーズ工場にいないと美味しいチーズにならない。仕事が出来て「一人前」に見てくれると、どんどん働く人が元気になっていく。微生物も元気になって良い仕事をしてくれて、おいしいチーズになり、チーズが売れて収入が入り自立した生活が送れる。

二川

ここで働いて生活をしている微生物も動物も人もいい気が巡っているから元気になれる場所なのですね。エネルギーがみなぎっていてパワースポットのようです。

今年で45周年!共働学舎新得農場の歩み

二川

うれしかった事を教えてもらえますか?

宮嶋さん

昔は包丁持って暴れる人が居るわけさ。隠れて酒飲んで暴れるのよ。ところが、朝一番でこっちが牛舎の穴掘をしているわけでしょ。そしたら穴堀をしているのかい?と言って隣で一緒に掘るのよ。そうしているうちにだんだん競争になってね。そしたら仕事が早く終わるのよ。非行少年とよばれた連中と仲間になれる。昔はそうゆう生活から始まったのよ。

宮嶋さん

人間としてちゃんと見てあげて、仕事しないと食べていけない。と言うと力を出してくれるのよ。ひとつひとつ一緒に生活できて嬉しかったよ。1日の時間をどう過ごすか各自、自分で考えていて休みも自分で決めている。みんなで牧場を動かしている。という役目があると生きがいを感じる。

二川

大変な苦労もあるけど心が通った瞬間は嬉しいですよね。各自で動いていても仕事が成り立つのは、皆さん責任を持ち自立しているという事なのでしょうね。

宮嶋さん

嬉しい事はもうひとつ。フランスで、このチーズはすばらしいと言われたのに日本では売れなくてね。だけどオールジャパンナチュラルチーズコンテストで賞をとってレストランで使われるようになると、フランスの特別審査員の方がヨーロッパのチーズコンテストに出ないか?と言ってくれてね。

宮嶋さん

出るからには日本のオリジナルを入れよう!と。新得は桜がいっぱいある。新得町の木はエゾ山桜でちょうど良かった。そしたらいきなり銀賞。でも満足いかずアオカビが出ないよう改善し次はスイスで金賞、Gグランプリになったのは自分でもびっくりだったよ。

二川

数々の賞を取ったチーズが十勝にあったなんて知らなかったです。さっそく買って帰ります♪最後に宮嶋さんの好きなミンタルメニューを教えて下さい。

 

宮嶋さん

好きな食べ物は、自家製のパンや農産物にラクレットチーズをかけるのが好き。「さくら」は自分で作ったチーズだから好きだよね。あとはハード系のチーズが好きで、あれば毎日かじっているよ。これから自分自身の免疫力を高める為に乳を発酵して消化しやすくしたものを食べなきゃいけない。免疫力の高いおいしいチーズを提供しなくてはいけないと思っているよ。

 

二川

これから寒くなり風邪もひきやすくなってしまうのでチーズをしっかり食べて免疫力をつけようと思います。沢山の資料を用意して待っていてくれた優しい笑顔の宮嶋さん。そして手作りの美味しいケーキをごちそうしてくれた可愛らしい笑顔の奥様。二人のあたたかい包容力で心がポカポカになりました。

次回は併設されているカフェミンタルについて詳しくご紹介します。続きもどうぞご覧ください♩


農事組合法人 共働学舎新得農場

住所 〒081-0038 北海道上川郡新得町字新得9-1
営業時間 10:00~17:00(日曜を除く)
TEL 0156-69-5600
Web https://www.kyodogakusha.org/

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