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80haの畑から生まれる新しい農業のカタチ@株式会社スリーベルファーム

2023.10.31

こんにちは!DO-Life記者のmakaです♩
今回は、北海道の短い夏が終わり収穫の秋がきたということで、池田町にある農業法人『株式会社スリーベルファーム』にお邪魔してきました。

農家さんのイメージが変わる新しい農業のカタチを知ることができましたので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

札幌市出身!都会育ちが挑戦する農業

2023年1月に設立した池田町利別にある農業法人『株式会社スリーベルファーム』。
今回は、代表の三平 拓矢(みひら たくや)さんにお話を伺いました!

 

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maka

収穫の秋真っ只中でお忙しいところ、タイムリーにお話が伺えるとのことでとても楽しみにしていました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

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三平さん

こちらこそ、池田町まで来てくださりありがとうございます。弊社のことや、池田町の農業についてもお話しできたらと思います。よろしくお願いします。

取材に伺ったのは10月の秋晴れの日。
スリーベルファームの抱える畑のひとつ、幕別町ある畑にお邪魔しました。



 

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maka

本当に広いですね!!空気が澄んでいて、広大な景色に癒されます。ここでは何を作っていらっしゃるんですか?

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三平さん

ここはあずき畑です。あずきなどの豆類は池田町の特産品の一つで、ちょうど9月末からが収穫時期なので、今日も収穫作業をしているところです。

のどかな風景の中で、トラクターが忙しそうに収穫しています。取材には長男のゆづきくん(4)も来てくれました。

 

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maka

では、さっそくお話を聞かせてください。今年の1月に設立されたとのことでしたが、農業法人は農業大国の十勝でもまだ珍しいですよね。三平さんは、もともと農業をされていたんですか?

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三平さん

実は、僕自身の出身は札幌市で、農業とは無縁の環境で育ってきました。社会人になり、もともとはアパレルや飲食店など、全く違う業種で仕事をしていたんです。

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三平さん

とくに飲食店は、自分でカレー屋を営むほどに打ち込んでいました。もともと人と関わることが好きでしたので、対面で人と向き合うサービス業がしっくりきていたんですよね。

札幌市出身の三平さんは、社会人になってからの10数年間アパレル店勤務や飲食店経営などをされ札幌や東京で過ごしていたそうです。地元札幌では、『世界カレー』というお店を営まれていたそうですよ。

 

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三平さん

服や帽子や靴など、おしゃれや買い物が好きだったこともあり、札幌や東京は僕にとっては居心地のいい環境でした。もちろん、自分が農家になると考えたこともなかったです。

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maka

そうだったんですね!確かに、出身が札幌市ですと農業の存在はあまり近くはないですよね。では、農業をはじめたきっかけを教えていただいてもいいですか?

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三平さん

農業をはじめたのは今から2年ほど前に東京から北海道に移り住んだときです。それ以前は、東京で8年ほど飲食店のデリバリー業を運営していましたが、子どもが生まれたことにより北海道への移住を考え始めました。

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三平さん

東京時代の仕事は、ランチ営業から深夜までつづく洋食店でしたので、なかなか家でゆっくりする時間も作れずに、妻にはかなり負担をかけてしまっていて。また自分も、子供との時間がなかなか作れないことで寂しい想いをさせてしまっていることが気がかりでした。

2013年に奥さまと共に上京し、洋食店のデリバリー業を運営していた三平さん。当時はまだデリバリーが浸透していない時代で一生懸命に仕事に打ち込んできたそうですが、お子さんが生まれたことが、働き方を見直すきっかけになったそうです。

 

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三平さん

妻の実家が池田町の農家だったことで、北海道に移り住むことを考え始めました。都会には魅力的なものがたくさん溢れていますが、自分にとっての一番は子供との時間でした。簡単ではないとは思いましたが、東京での子育ては不便も多かったので、二人めの出産を控えていた頃に子どものためにも北海道に移ることを決意したのがきっかけです。

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maka

そうだったんですね。東京から池田町、ましてや札幌育ちでしたら最初は環境に慣れないことも多かったのではないですか?

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三平さん

都会とここではまた違った良さがあり、新鮮でした。池田町ののどかさに惹かれました。この町はお年寄りも多く昔ながらの人と人のつながりが感じられる温かい町です。そんな場所で子育てができること、子どもとの時間が増えたことが何よりのメリットです。今は、移住して本当に良かったと思っています。

昔ほど服や靴への欲も無くなったしね。と笑う三平さんは、とても穏やかで幸せそうです。終始ご機嫌なゆづきくんを見ていると、池田町の過ごしやすさが伝わります。

 

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maka

都会からの生活の変化もそうですが、全く違う業種から農業を始められ、ご苦労もあったのではないですか?

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三平さん

そうですね。農業は全くの未経験でしたので、一からやるしかない。という覚悟のもとに始めました。代々続く農家だったので、まずは学ぼう!という気持ちでしたね。

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三平さん

実際に農業を始めてみると、周りのかたが温かく教えてくださり本当にありがたかったです。池田町やその近郊にある畑を行き来しながら作物を計画的に育て、春に蒔いた作物を秋に収穫するときは達成感があります。慣れるまでには時間もかかりましたが、周りのフォローもあり今は色々な仕事をこなせるようになりました。

これまでサービス業を長年やってきた三平さんでしたが、実際に農業をやってみると達成感がありすごく楽しいと感じたそうです。夏は天気や時間、風や気温を見ながら大切に育てていくので、作物に合わせた生活となり忙しく過ぎますが、収穫までの過程が難しくも面白く感じているそうです。そして冬には、家族で旅行に行ったりご自宅でのんびりと過ごせることがメリットの一つだと言います。東京では感じられなかった穏やかな時間が、今の原動力になっているそうです。




昨年の冬の家族旅行(三平さんご提供)

新しい農業のカタチ農業法人『スリーベルファーム』

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maka

三平さんが農業を始めたのは2年前とのことでしたが、スリーベルファームとして法人化した目的や背景を聞かせてください。

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三平さん

僕自身、地元民ではなくこれまでは全く違う分野の仕事をしてましたので、就農する際にも新しい仕事に就くような感覚で農業を始めました。実際に農業をしていく中で、自身も農業の魅力を知りましたし、自分のように地元民ではない人から“農家で働きたい”という声が意外と多いこともわかってきました。

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三平さん

法人化することで、十勝管外や道外から農業をやりたい人を迎え入れることができ、農業がより身近な仕事になり、池田町のこの先の農業がさらに盛り上がるのではと考えました。もともと自営業の経験もあったのでその経験も活かし、法人化した先に新しい農業のカタチがあるのではとの想いで、スリーベルファームを設立いたしました。

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maka

ご自身の経験がしっかり活かされているんですね。生まれも育ちも十勝出身の私は農業がとても身近に感じていましたが、都会の方からすると、北海道に移住をして一から農業を営むのはとてもハードルが高いですもんね。

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三平さん

そうですね。法人化することで、就職先の選択肢の一つに農家がある。法人化がまだまだ珍しい今だからこそ、就農を考えやすくする体制を整えたいと考えました。

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三平さん

池田町は高齢者が多いこともあり、畑を手放す方もいらっしゃいます。その方々の畑をしっかり繋ぐこと、池田町の農業を守ることは僕たち世代の仕事です。これからの池田町の農業を考えたときにも、法人化することはメリットだと思っています。

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maka

色々なご経験をされてきた三平さんならではの視点ですね。法人化することにより、具体的にはどのように変わっていくのでしょうか?

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三平さん

就農希望の方の雇用ももちろんですが、斬新なアイデアで切り開けるような面白い人材を多業種から集め、アクティビティの要素を含んだ農業体験などができたら面白いなと思います。

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三平さん

夏休みなどに管外や本州からの観光客に、十勝の農業を楽しく体験してもらうとか、家族や子供にとってより農業が身近になり、こころに残る思い出が作れるような場所にしていきたいです。

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maka

まさに農業の新しいカタチですね。北海道や池田町の良さがこの先どんどん伝わりそうで、すごく楽しみですね。

これからの抱負を語る三平さんは本当に楽しそうで、農業と池田町に惚れ込んでいるのがこちらにまで伝わってきました。近い将来、池田町の農業に新しい風が吹きそうで本当に楽しみです。

池田町のイチオシ!ねばりスターと知る人ぞ知る “ むかご ”

取材の場所を変え三平さんの畑の一つ、池田町にある長いも畑にきました。もちろん、ゆづきくんも一緒です。



取材中、のびのびと走り回るゆづきくん。この広大な土地が当たり前にそばにある環境で育つこと、とても特別ですよね。三平さんの畑は池田町はじめ、幕別町や豊頃町にもあり総耕地面積は80ha以上。その中でも長いもの生産が最も多いそうですよ。

 

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三平さん

ここは長いも畑です。いま池田町では根張星(ねばりスター)という長いもを産地限定ブランドとして力を入れて出荷しています。2008年から青森や北海道で試験栽培が始まった品種ネバリスタですが、(株)ワタリと提携しJA十勝池田で生産されたものに限り『根張星(ねばりスター)』というブランド名が付けられています。

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三平さん

根張星は、粘りが二倍以上あると言われており、旨味となめらかさに自信があります。これからの池田町のまさに星となっていくよう、心を込めて生産しています。

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maka

池田町の産地限定ブランド!それはぜひ道内外のたくさんの方に食べていただきたいですね。長いも畑を初めて見ましたが、こんなに深く根を張って育つんですね。

長いもは土中に1mも根を張るそうで、逞しく育っていました。この綺麗な長いも畑は、農家さんの行き届いた農作業から生まれ、収穫はもうすぐそこです。食卓に並ぶ美味しい野菜の裏にある、農家さんの強い想いを知ることができました。



スリーベルファームとして、これからの夢

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maka

最後になりますが、これからの夢や挑戦したいことはありますか?

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三平さん

まずは弊社で収穫した農産物を、加工して商品化してみたいという夢があります。あずきを作っているのであんこにしたり、長いもで漬物を作ったりですね。いつも、収穫した野菜や北海道産の食材を飲食業時代の友人に送るととても喜ばれることもあり、いつかは自分の商品を作ってみたいと思っています。

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三平さん

それと、長いも畑には“むかご”という種芋が実ります。これは料亭などで調理されることもある食材で、素揚げするととても美味しく、炊き込みご飯などにもできるので、むかごを活用した料理なども提案していけたらと思っています。

 

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maka

“むかご”って言うんですね!初めて聞きました。十勝に住んでいながらも、まだまだ知らないことばかりでした。池田町を支える農業のまだ見ぬ可能性をたくさん感じました。すごく魅力的なお仕事ですね。

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三平さん

ありがとうございます。記事にしていただくことで、道内外のたくさんの方に池田町の農業の魅力が届けばと思っています。むかごをお土産にお渡ししますので、ぜひ食べてみてください。

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maka

いいんですか?さっそく今晩の晩ごはんにします!笑 食べるのが楽しみです。本日は本当にありがとうございました♩





いただいたむかごで炊き込みご飯を作ってみました♩例えるならば、銀杏のようなほくほくとした食感でとても美味しかったですよ。

収穫にお忙しい中でしたが、とても丁寧にご説明いただき、三平さんの農業や池田町に対する想いが伝わってきました。十勝近郊の方も、管外、道外の方も、収穫の秋・食欲の秋ということで、秋の味覚池田町の農作物をぜひご堪能くださいね。












株式会社スリーベルファーム

代表 三平 拓矢(みひら たくや)
札幌市出身池田町在住。現在38歳。奥様、長男悠月(ゆづき)くん、次男千斗星(ちとせ)くんの4人家族。2年前に東京都から一家で池田町に移住・就農する。現在は株式会社スリーベルファームの代表を務める。
所在地 北海道中川郡池田町字利別本町17番地の1

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