うわぁ…
うわぁ〜…..
皆さんこんにちは、こんばんは。
クルマの汚れに悩まされている阿寒町地域おこし協力隊の崎です。
北海道の冬を乗り越えて分かったことが一つあります。
それは….
車が汚れる汚れる!!
いやぁ、めっちゃ汚れる!
私の車は黒なので余計に汚れが目立ちます。
北海道の冬と雪解けシーズンの春先は特に写真のように車が真っ白に汚れていきます。
不思議ですよね。汚れって黒いイメージですが、こちらでは白というが灰色というか、そんな汚れがビッシリと車に付くんです。
この汚れの正体は、道路に撒かれる「融雪剤」「凍結防止剤」というもの。
道路の凍結を防ぐために道路に撒かれる非常に大切なものなので、憎んでも憎めない存在なのですが、どうしてもクルマを汚してしまうという悪さを持ちます。
しかもこの汚れを放っておくと、クルマが錆びてしまうんだとか…
今回は、そんな「融雪剤による汚れ」をどうやって落とすのか、そもそもの融雪剤の正体は?錆びを防ぐ対策はあるの?など、クルマのプロであるTOYOTAの整備士の方に聞いてみようと思います!
■「融雪剤」の正体とは?
ー本日はよろしくお願いします!
初めまして。釧路トヨタの千葉と申します。よろしくお願いします!
ー早速なのですが、このクルマが真っ白になる「融雪剤」の正体ってなんなのでしょう?
融雪剤や凍結防止剤の正体は「塩化カルシウム」や「塩化ナトリウム」なんです。どちらも道路の凍結防止や融雪効果を持っています。
ー懐かしい!どちらも理科の実験で聞いたことのあるやつですね笑
そうですそうです。「塩化ナトリウム」はいわゆる「食塩」ですね。塩化ナトリウムは水に溶けると約-20度までなら凍結しないという性質を持っています。つまり、塩化ナトリウムが撒かれた道路に雪が降れば、雪に塩化ナトリウムが溶けてくれるので、凍結防止につながるわけです。
ーなるほど!塩化カルシウムも同じような効果を持つんですか?
塩化カルシウムもそれに加えて、水に溶けると-50度までなら凍結しません。ですので、厳冬地域では特に活用されているんです。
ー発熱!それだけ聞くと申し分ない長所だらけのものに感じるんですが…?
“塩化”と名の付く通りこの「融雪剤」の主な成分は「塩分」なんです。つまりクルマに付いた状態で放っておくとクルマが錆びてしまいます!
ー錆びる!!?
■特にクルマの下回りは要注意!
融雪剤の影響をモロに受けるのは普段見えないクルマの下側です。放っておくと知らないうちに下回りの部品が錆びて、荷重や衝撃に耐えられねくなり、最悪の場合折れたり壊れてしまうこともあるんです。
今お見せしているクルマは後でも説明しますが「錆止め防止コーティング」を下回りに実施しています。ですので、そこまで錆びは酷くはないのですが、例えばここ。金属部品の溶接箇所などに少し錆びが出てきているのがわかりますか?
ーほんとだ!溶接部分だけ茶色くなってますね。
他にも、ホイールの裏側なども融雪剤が溜まりやすく、このように錆が進行することも多いですね。
ーうわぁ…この部分結構ひどいですね….
■錆びを防ぐにはどうすればいいの?
ー融雪剤がついたまま放っておくと、錆が進行することはわかりました!ただ、北国に住んでいる以上、融雪剤とは切っても切れない関係のような気がするんですが、どうやって錆び対策を打てば良いんでしょうか?
まずは、やはりこまめな「洗車」ですね!
洗車機もいいんですが「手洗い洗車」をしていただくのがもっとも効果的ではあります。
ーやっぱりそうなんですねー。ちなみにどれくらいの頻度でやるべきなんでしょうか?
融雪剤が撒かれる冬場や春先は、正直言うと「走ったら洗車」をするのが1番理想です。ですけど、冬の寒い中で頻繁に洗車をするなんて現実的に無理ですよね。笑
ーはい。無理です笑
なので、できれば2週間に1度。せめて1ヶ月に1度は洗車をすることをオススメします。
ただ、真冬に洗車をしろと言われてもそれはそれでキツいですよね。最近は「温水」が出る手洗い洗車場もありますがそれでもキツい時はキツい。
ーはい。キツいです笑
ですので、北海道でクルマに乗られるお客様には「下回り防錆コーティング」をオススメしています。こちらを施すことで車両本体への錆びを効果的に防ぐことができます。
【「下回り防錆コーティング」についてはこちら】
https://toyota.jp/after_service/car_care/yohin/tire/threeruster/
ーコーティングってどれくらいの頻度で実施してもらうべきなんでしょうか?
そうですね。基本的には車検時に再コーティングをご案内することが多いです。ですので2年に1度くらいが理想ですね。
ただ、この「下回り防錆コーティング」はマフラーなどの熱を帯びる箇所には処置を施すことができないんです。そこで、最近では耐熱塗料を用いた「マフラー防錆コーティング」も別で実施しています。こちらは1年に1度のペースで実施していただくことが理想です。
ーいやぁ、毎度洗車は特に冬場はキツいのでコーティング処置は北海道に住むなら必須なのかもしれないですね。特に釧路地域は海も近いし、海風の対策にもなりそう。
ちなみに、やはりコーティングをしたからといって「ずっと洗車しなくてもいい!」というわけではないんですよね?
そうですね、やはり月に1度くらいは洗車をしていただくことが理想ではありますね!
■プロが教える!錆びを防ぐ効果的な洗車術とは!
ーでは、その洗車をする際に特に注意して洗うべき場所や、効果的な洗車方法などはありますか?
では、実際に洗車を実演しましょうか!
ーえ!いいんですか!お願いします!実演の方がわかりやすくてとても助かります!
ー実演よろしくお願いします!!
はい!では早速ですが、ここで洗車時のポイントを紹介します!
ポイント①「タイヤの角度」に注目です。
ータイヤの角度…普段私はこの角度で洗車していますね。
機械洗車の場合はこの角度でいいのですが、手洗いの場合はぜひ「タイヤを曲げた状態」で洗車をしてほしいんです!
ーえ!タイヤを曲げるんですか??なぜ…
今、実際に曲げてみました。では、ここから見てみてください。
ーどれどれ…??
ーあ!なるほど!そういうことか!
わかりましたか?そうなんです。タイヤを曲げることで、このようにスペースが生まれます。ここはホイールの裏側なので通常の洗車だとなかなか洗いが行き届きにくい場所。そこをこのようにタイヤを曲げることで洗車しやすくなるんです。
ーなるほど!これは盲点でした!確かに、まっすぐの角度だと奥まで水が届かないですもんね。
この状態で、まずは水をかけていきます。
ここでポイント②「洗車は上から」が基本です!
洗車は家の掃除と同様でクルマの上部から始めていきます。
続いてポイント③「タイヤハウス内をしっかりと洗浄」しましょう。
先ほどタイヤを曲げてできたスペースから水をかけていきます。
ノズルをタイヤの奥まで入れて、水の届きにくい場所へ直接高圧水をかけることが大切です。付着した融雪剤をしっかりと落としましょう。
ーなるほど!これは盲点でした!確かに、まっすぐの角度だと奥まで水が届かないですもんね。
続いて、ポイント④「ノズルをクルマの下部へ入れる」
このようにノズルを車両下部に潜らせて、足回りに付着した融雪剤を満遍なく落としていきましょう。これだけで十分に融雪剤を落とすことができ、錆び防止につながります。
ーかなり下回りの洗浄には時間をかけていますね。それくらいしないと落ちないんだ…
その後に、手洗いで泡洗浄をおこなっていきます。これも先ほど同様、車両の上側から始めます。
ここでポイント⑤「ホイールの内側も忘れないこと!」
このように、高圧洗浄だけでは届きにくい「ホイールカバーの内側」などにも融雪剤が溜まりやすいので、手でしっかりと洗浄することをオススメします!
そして泡を流していきます。これも同様、上から流していきます。最後に、水滴を拭き上げれば洗車完了です!
ーめちゃくちゃ綺麗になった…!ポイントを細かく説明いただきありがとうございます。タイヤハウス内や、車両の下回り、ホイールの内側などにも融雪剤が溜まるんですね。外観が綺麗になると満足しがちですが、このような「見えない部分」を重点的に洗うことが大切ですね。
そうですね。ぜひ、愛車を長く乗っていただくためにも入念な洗車をしていただくことをオススメします!
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本州とは全く違う気候をもつ北海道。
私が大阪にいた頃には、もちろん「融雪剤」など身近な存在な訳がなく、ましてや「クルマが錆びる」なんて考えもしたことがありませんでした。
やっぱり、何もかも想像がつかないですね。北海道暮らし。
今回は、北海道という厳しい気候の中で「愛車を長く綺麗に乗り続ける秘訣」を聞きました。
これからは夏に向かっていくので融雪剤の影響を直接受ける機会は少なくなるかもしれないですが、まだまだ場所によっては凍結している峠もありますし、しっかりと頭に入れて過ごしていこうと思います。
ご協力いただきました「釧路トヨタ 釧路店」様、そして千葉さんありがとうございました!