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田舎町に中華店を開店させた中国出身のお二人(前編) 中華料理萬彩@池田町

2021.3.29

こんにちは。DO-Life特派員マウラです。

 

マウラ

本日は十勝で頑張る中国ご出身のお二人のお話を伺おうと思います!!

コロナ禍に外国人労働者のためにオープンした中華料理屋さん。

やってきたのは2021年2月池田町にオープンしたばかりの中華料理のお店『萬彩(ばんさい)』さんです。

このお店をオープンさせたのがこちらのお二人。
左から「リアニード大千株式会社」代表取締役のフェイさんと専務取締役の王(おう)さん。
フェイさんは帯広畜産大学を卒業後日本の方と国際結婚し、それから19年十勝で暮らしているので日本語はペラペラ。
初めてお会いした時は完全に日本の方だと思いました。
「リアニード大千株式会社」は2017年フェイさんが起業し、通訳業務や貿易・外国人材サポート・観光関連など主に海外の方たちをお相手とする様々な事業をされています。

王さんは日本で就職したい、と2014年に来日され様々な飲食店や旅行関連の企業で経験を積みマーケティング力と企画力を買われて、フェイさんにヘッドハンティングされ今に至ります。

 

マウラ

フェイさんと知り合って数年、私から見てフェイさんの事業はとってもうまくいっていると感じているのですが、この時代になぜ飲食店をオープンしようと思ったんですか?

フェイさん

日本国内でもたくさんの外国人労働者が働いてくれるようになり、「在留外国人をサポートする」ことを目的とする「登録支援機関」と言う新しい事業の認可が国で作られまして、その許可をとりました。ただ、サポート経験が充分ではなかったり今までの私たちの活動を知らない企業側がいきなり信頼してくれることはありません。
なので自社で飲食店を運営してその中で「外国人の雇用」と「サポート」をして経験と実績を作りたいと思っているんです。

マウラ

見たところ、お店のスタッフさんのほとんどが中国の方のように思いますが、みなさん元々十勝にいらっしゃった方なんですか?

フェイさん

いいえ。お店をオープンするにあたり「こんな田舎でもよかったら」と言うことで日本全国から募集をかけたところ、東京から2名、埼玉から1名、京都から1名来てくれました。

マウラ

えー!!全国からなんでまたこんな田舎に!?

フェイさん

今は大きな街だったり都会のほうがコロナの影響が大きく、飲食店も閉店してしまったり休業してしまったり。大学での実習もできなかったり就職もできなかったりで、働く場所を探している在留外国人も多いんです。

マウラ

私の知識不足なんですが、外国人労働者と言えば「技能実習生」が多いイメージですが、このお店で働く人たちは違うんですね?

フェイさん

就職したい留学生だったり、日本の身分を持っているけど日本語がもっと上手になりたいから働きたいと言う人が在籍しています。。そんな人たちがまた都会や違う地方に戻ったり就職する、となった時にも今の実務経験がある、と言うことは財産になります。

マウラ

このコロナ禍で飲食店をオープンすることに不安はなかったですか?

王さん

半年くらい市場調査をしていたので大丈夫だと言う自信がありました。
こう言う時代だからこそ、もう少し落ち着けば都会の人たちは三密を避けて人の少ない地方に来ると思うので流れに乗ってチャンスをつかめると思います。都会は人が多い分ダメージも大きく、閉店しているお店もたくさんありますが地方であるからこそ、そこまで影響がない、と言う見方もできます。
また、人口が少ないから良いところもあって、例えば少々割高でも地元の業者さんと取引をさせてもらっているのですが、そう言う人たちがお店に来てくれます。そして、その人たちが口コミをしてくれるのでまたお客様が来てくれます。
小さい町だからこそ、口コミの効果はとても大きいです。

マウラ

ラーメン屋さんで中華料理を出すお店はあったりしますが、本格的な中華料理屋さんてそんなに無いので私としても嬉しいです!!帯広市内からわざわざ食べに来たいです。

フェイさん

私たちもこんなにお客様が来てくれるとは思っていなくて(笑)。オープンから1週間くらいは追いつかなくてテイクアウトをお断りしたくらいでした。

王さん

スタッフのほとんどが20代なのですが地元の方たちにはそのことによって許してもらったり可愛がってもらっています。
業者さんも仲良くしてもらって「みんなで一緒にやろう」みたいなアットホームな感じもあり本当にありがたいです。

マウラ

お二人、これからの展望だったりってありますか?

フェイさん

今はたまたま中国の人たちが多いですけど、これからはできる範囲で様々な国の方の雇用をし、ここが彼らの居場所になったり、私たちにとっては「サポート」の部分での経験になったり、と言う土台固めをしていきたいです。
また、今はコロナでインバウンド事業で繋がった人たちも就職難だったりします。そう言う人たちの就職の場になったら、とも思っています。

王さん

日本はこれから少子高齢化で人材も不足します。「飲食店」は外国人労働者をサポートするための方法の一つにしかすぎませんが同時に日本の課題を解決する拠点になると思っていますので、お店も各地に増やしていければと考えています。
何かあったら飲食店が助けになる、そんな場を目指しています。

数年前まで外国出身の人との接点がゼロだったマウラでも近年では様々な場面でお話を聞いたり、フェイさんのようにお友達ができたりと、ここ十勝にも新しい風が吹いているのを感じています。と、同時にまだまだ外国人労働者に対する知識が不足しているのも痛感。こんな感じで気軽にお話が聞けることは幸運な環境だし違う国であると言う垣根が少しずつ下がってきます。

今回はお二人のお話をじっくり聞かせていただきましたがお待ちかねのお店の詳細は後編「田舎町に中華店を開店させた中国出身のお二人(後編)」に続きます!!どうぞこちらも併せてご覧ください。


中華料理萬彩(ばんさい)
営業時間 11:00~15:00(ランチタイム)17:00〜22:00(ディナータイム)
※状況により早まる場合もあります。
定休日 不定休
TEL 0155-78-7333
フェイスブックページ 中華料理萬彩
住所 北海道中川郡池田町東1条36−5

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