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皮を革として蘇らせる。池田町『エゾレザーワークス』は「人それぞれの生き方」を体感できる場所。

2019.9.29

こんにちは! DO-Life特派員のマウラです。

本日も十勝在住44年、フリーランサー歴10年の情報網と人脈、聞き出し力を存分に発揮し、釧路トヨタスタッフさんのおすすめゴトをご紹介します。

8月のイベントで着物好き仲間とユニットを組んで出演しました。
子供の頃から歌うことが大好きで、この日も足寄町で開催されるゴスペルのワークショップに着物&音楽仲間の「スギタサン」と参加する予定でした。


帯広市内から足寄町まで移動時間は1.5時間と少々長いので、ドライブがてら池田町の気になるお店に立ち寄ることに。

池田町にあるショップ&工房&ご自宅、というちょっと不思議な建物『エゾレザーワークス』。

それがエゾレザーワークスさんです。

広大な畑の中に突如として現れるD型倉庫を改装した、朴訥(ぼくとつ)ではあるけどおしゃれなお店。

オーナーの長谷さん。「ながたにさん」ではなく「はせさん」です。

イケメンさんですが、気さくなので緊張感を感じません(笑)。

大量の薪。この置き方にもセンスを感じるのは気のせいでしょうか。あまり伝わらないでしょうが、薪を綺麗に積み重ねるって実は結構難しいと聞きます。

実はここ、ただの「店舗」ではなく、「工房(作業場)」そして、なんと!!「ご自宅」でもありました。黒いトレーラーハウスがそう。

D型倉庫に自宅。。。目の前にそれがあるにも関わらずその事実を受け入れられるまでしばらく時間がかかりました。そして驚きなのがこれら全て長谷さんがご自身でほとんど作られた、という事。長谷さんは大工でもあるのです。

ここでみなさまを代表して全員が思う素朴な疑問をぶつけてみました。

 

マウラ

冬とか寒くないですか?

長谷さん

断熱材が入ってるので意外と大丈夫なんです。

マウラ

(あ。。そういう問題でしたか、、、)

ここで池田町在住の『DO-Life』では二度目の登場となるタカハシがやってきました。

ここにはいろんな人を連れてしょっちゅうお邪魔しているそう。取材中の短時間の間にも様々な人が訪れていました。何度も来たくなるのがわかるくらい、興味深いことがいっぱいだし、(実は)ハンターでもあり、大工さんでもである長谷さんの想いや意思でのみ作られたまっすぐなこの場所からは様々なパワーを感じます。

物に魂を込める。そんな想いを共有した作家さんの作品が集まってきます。

そろそろ「店舗」としてのご紹介を。

店内にはエゾシカの革で作られた、作家さんの顔が見えてきそうな、声が聞こえてきそうな、制作時の指先まで見えてきそうな、そんなこだわりの作品が並べられています。

湾曲の美しさがたまらない。コンマミリ単位の仕事ってその奥底は気づかれにくいけど、きちんと誰もに「美しさ」を届けてくれます

小物もあります。触れていなくても写真から柔らかさが伝わりますよね。

これらの作品はハンターである長谷さんが有害鳥獣駆除で捕獲したエゾシカの皮を元に、全国の作家さんに依頼して作ってもらった物。

独自の感性で使いやすさをデザインに昇華させる agaritoさん

細部にまで耐久性と機能性を追求するSLOTHさん

長年の経験から植物タンニンを使った独自の鞣し技術を開発し人にも自然にもやさしい革づくりを実現させた山口産業株式会社さん

独創的なデザインの中にも履き手への細やかな気遣いとハンドメイドの温もりが感じられる凸&凹さん

北国での生活を通して磨かれた感性がエゾシカ革という素材とマッチさせるMichkaさん

革製品を「生活雑貨」としての枠で捉え、日常を素敵にアレンジしてくれるYoshida leather worksさん

野生獣皮に対しても豊富な実績を持ち、イメージの完全な具現化を目指してエゾシカ革の特注鞣しを依頼しているALMIGHTY 姫路製革所オールマイティさん

「物に魂を込める」という長谷さんの想いを共有する全国の作家さんの作品は見ているだけで人の笑顔を作ります。

「皮」を「革」として蘇らせる。それが命の現場に身を置く自分の使命。

長谷さんがコーヒーを入れてくれたのでみんなでお話を聞く事に。

 

マウラ

なぜシカ革製品を作って売ろうと思ったんですか?

長谷さん

ハンターとして捕獲したエゾシカ。肉も皮も受け入れ先はあるのですが、命をいただく仕事と向き合ったときに、ただ原料として流通させるだけじゃなく「皮」を「革」として蘇らせたかったんです。それが命の現場に身を置くものの使命なんじゃないかと。

今できることが「革製品」を作って、買っていただいたお客様に「笑顔になってもらうこと」「日常の生活の中で少しでも『自然』と寄り添えること」なんですが、今も模索中です。

マウラ

この工房やご自宅は長谷さんが作られたんですよね?大工さんとは言え、大変じゃないですか?

長谷さん

もともと自給自足したいと思っていて。狩猟をしたり、家庭菜園を始めたり、物を作ったり。家作りもその一つ、、、ですかね笑

マウラ

ええええ!!自給自足なんてワタシは面倒にしか思えないです!!

長谷さん

世の中の経済情勢によって振り回されるのがなんか違うなと。自給自足ならそういう事に巻き込まれず自分のペースで生きられると思っています。

長谷さんのようにご自身の思う生き方を言葉にし、実践している人とお話をしていると、自分の考え方の幅も広がっていってちょっと豊かな気持ちになりました。

ここでスギタサンからの質問。

 

スギタサン

お願いすればオーダーとかで作ってもらう事は可能ですか?

長谷さん

ネットでの受注はしていませんし、オーダーでなんでもできる、という訳ではないのですが、お店に来ていただいてご相談にのる事はできますよ。

スギタサン

看板とかないようですが気軽に来てしまっていいのでしょうか(笑)

長谷さん

看板は出したいんですけど追いついていないだけです(笑)。来て欲しくないわけじゃないですよ(笑)。気軽にお店に来てください。

車は相棒。毎日100キロ以上乗ってます。

ここで長谷さんに車についてお話を聞きました。

 

マウラ

長谷さんにとって車とは?

長谷さん

車には有害駆除のパトロールで毎日100キロ以上乗ってますよ。なくてはならない相棒ですね。今後はここにあるようなタイニーハウスの事業も考えているので、そうなるとパワーのある車が必要になると思います。

長谷さん。ランクル100がおすすめです!!

ため息がでるほどシンプルで美しい店内。

おしゃれなのになんだか落ち着く店内の様子も少しご紹介します。

何気に置いてあるものがシンプルで「場」に溶け込みます。

せっかくなので「ご自宅」もチラ見せ。

もちろんキッチンもありました。こんなところがご自宅なんて素敵な生活です。「マイホームは広くて収納がたくさんあって、、」なんて思いがちですが、豊かな暮らしって広さや便利さとか物理的な事ではなく、「自分がどうしたいか。どうやって過ごすことで心が喜ぶのか」という内側が大事なんだよね、と改めて気付かされます。

ただのショップじゃない。『エゾレザーワークス』は「人それぞれの生き方」を体感できる場所。

長谷さんは4年ほど前に十勝に移住されました。

移住者と言われる人たちが、もともと十勝で暮らす私たち十勝民ですら気づいていないような、十勝らしい暮らし方や心の持ち方を改めて教えてくれる。本当にありがたいことです。

日々の経済活動に疲れてしまったら、エゾシカが生み出してくれた作品を愛でながら長谷さんとお話してみてください。ちょっとだけ心の時間がスローになります。


EZO LENTHER WORKS(エゾレザーワークス)

住所 〒083-0002 北海道中川郡池田町清見163-12

営業時間 11:00〜17:00
定休日 毎週火曜日・水曜日
TEL 015-578-7256
ホームページ http://ezoleatherworks.com/

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