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「なんでも屋」として軽やかにキャリアを紡むいでいく@相楽 秀明さん

2024.4.11

こんにちは!記者の中津です。

以前、糠平湖に冬の期間だけ現れるアイスバブルカフェの様子を取材をさせていただきました。今回はそのオーナーである相楽 秀明(さがら ひであき)さんの活動をクローズアップします!

相楽さんは元々十勝でバリスタとして活動をしていましたが、現在はSagaride Cycling & Coffee Serviceとしてサイクルガイドの活動を行っています。そのキャリアをどのように紡いで行ったのか、詳しくお話を伺いました。

 

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中津
まず、改めて相楽さんのプロフィールを教えていただけますか?
 相楽さん
はい。冬場はアイスバブルカフェの営業をしていますが、メインの活動としてはサイクリングツアーガイドです。夏場には三国峠とナイタイ高原牧場を中心にガイドを、冬はカフェ営業のかたわら湖上のファットバイクツアーをしています。
相楽さん
あとは、コーヒー屋さんのお手伝いやイベント出店をしたり、空いている時間には農家さんなどでアルバイトをしています。
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中津
活動の幅がとても広いと思うのですが、一言でご自身を表すとしたらどんな肩書きになるのでしょうか?
相楽さん

今は「なんでも屋」ですかね。最近はサイクリングツアー以外にも旧国鉄士幌線のアーチ橋見学ツアーガイドのヘルプにも入ることが増えてきたので、「自転車を含めたアウトドアガイド」という以前よりも広い枠組みの活動になっていると感じます。

アーチ橋見学ツアーではタウシュベツ川橋梁を間近に望むことができる。(2020年筆者撮影)

 

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中津
それは活動年数が経つにつれて変わっていった形ですか?
相楽さん

そうですね。コロナが落ち着いてツアーの需要が増えてきたのが大きいと思います。自転車は天候商売なので雨が降ってしまうとほぼ中止になってしまうのですが、アウトドアアクティビティは雨が降ってもできるので。それは僕としてもありがたいですね。

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中津
アウトドアガイドとしての経験を積むことのメリットは何かありましたか?
相楽さん

サイクリングツアーのお客様の多くは普段自転車に乗らない人なので、ただ自転車を漕ぐだけではなく何を見せるかが大事になってくると思っています。そういう意味ではアウトドアガイドで培った知識が活きるなと。

相楽さん

また、農家さんのアルバイトの経験も役立っていますね。作物の収穫までの工程や、その後の出荷・販売のサイクルも知ることができたので、お客様に伝えられるストーリーが増えたと思います。

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中津

ただルートを案内するのではなく、土地のストーリーを伝えることもガイドさんの役割として大事ですよね。いろいろな方面での活動を吸収して、サイクリングガイドに還元してるところが素敵だなと思います!

張り巡らされた伏線を回収していく

最初は商社の事務職として勤めていたという相楽さん。 友人たちに趣味の料理を振舞う機会が多く、そこから飲食の道を志すようになり転職することを決めます。 そして、勤め始めた飲食店でたまたま自転車の世界と出会ったそうです。

 

相楽さん

勤めていたお店に自転車チームの方がいて、そこからサイクリングガイドの存在を知りました。どんどんガイドへの興味が膨らんでいってそれを口にしていたら、ツアーやイベントの運営を手伝ってくれないかという声がかかるようになりました。

相楽さん

あるイベントをお手伝いした時、自転車と一緒にエスプレッソマシーンが積まれていた車があったんです。そのイベントでは走った後みんなでコーヒーを飲む時間がありました。それがすごくおしゃれだったんですよね。自分自身もコーヒーの経験があるし「あ、この形でやりたいな」という気持ちになりました。

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中津

そこからコーヒーと自転車を掛け合わせるという今のスタイルが生まれたんですね。

相楽さん

はい。僕のツアーの中ではいつもドリンクサービスしています。ツアーの途中にサービスすることが難しい時は、お土産としてドリップパックとお菓子をお渡しします。アウトドアをする人って外でコーヒー飲む人も多いので、素敵な景色の中でぼーっとしながらコーヒーを飲むという時間の過ごし方は喜んでもらえるかなと思っています。

ツアーでのコーヒー提供の様子。オリジナルの革製カップホルダーも。(相楽さんより写真提供)

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中津

事務や飲食といった畑違いのところからガイドのお仕事を始めたと思うのですが、どのようにお仕事が増えていったのでしょうか?

相楽さん
最初のきっかけは自転車を始めた頃に出会ったチームの代表の方でした。その方は自分でツアーをしていたのですが、本業の関係で出来ないタイミングも多かった方でした。
相楽さん
その方にガイドをしてみたいという話をした時に、「じゃあ相楽さんやってみない?」という流れでお仕事をいただけるようになり、十勝管内のネイチャーセンターさんやガイドセンターさん、十勝サイクルコンシェルジュさんとの繋がりができました。
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中津
一気に広がっていきましたね!やりたいことを口にすることって大切ですね。
相楽さん
本当にそうだと思います。それから糠平のガイドセンターの方とも繋がり、三国峠ダウンヒルツアーのお手伝いをすることになったのが上士幌での最初の仕事ですね。

三国峠ダウンヒルの。絶景の松見大橋を見下ろしながらのサイクリングができる。(相楽さんより写真提供)

相楽さん
その後、十勝サイクルコンシェルジュさんで川辺まで自転車で行ってコーヒーとホットサンドを楽しむ「バイクチェアリング」というツアーの企画をさせてもらったのですが、そこに上士幌の観光協会の方が遊びに来てくれたんです。そこから「アイスバブルカフェ」の構想も始まりました。

河原でのんびりとコーヒーを楽しむバイクチェアリング。(相良さんより写真提供)

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中津
別々に取り組んでいたことが少しずつまとまりを帯びてきて、できあがった形がアイスバブルカフェと湖上ツアーだったのですね。
相楽さん
そうですね。張り巡らされた伏線を回収してるような感覚です。出会った人たちのおかげで色々なことが繋がっていると思います。とてもありがたいですね。
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中津
お話を聞いていると、すごく絶妙なタイミングで声をかけてもらうことが多いのと、相楽さんもとても軽やかにその流れに乗っている印象があるのですが、その秘訣は一体どこにあるのでしょうか?
相楽さん
「どこかに所属しないで仕事をしている」ということが大きい気がしています。サラリーマン時代はやるべきことに追われるように仕事をしてたけど、今は一つ一つを楽しめるし一生懸命できる。フットワーク軽く動けることも多いし、そこから個人的に連絡が来るのも増えてきてると思います。

「任せて良かった」と思ってもらえるガイドに

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中津
これからさらにチャレンジしていきたいことや、大きくしていきたいことはありますか?
相楽さん
サイクリングツアーの仕事を拡大させたいです。より大人数を受け入れられるようになればと思ってはいるのですが、まずは今できる範囲の中で広げていきたいです。最近やっと大きい車も購入したので、4〜5人くらいのパーティーなら案内できるかな。
相楽さん
そして、せっかく来ていただいたお客様には「この人にツアーを任せて良かったな」と思っていただけるようなガイドをしたいです。
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中津
相良さんにとっての理想のガイド像のようなものは何かありますか?
相楽さん
僕の先輩ガイドさんが理想です。ガイドとしてツアーに込めた想いを理解してもらった上で「次もまたあなたにお願いしたい」とお客様に言っていただいていたのを見たとき、僕も最終的にはそこにいきたいと感じました。
相楽さん
たくさんいるガイドの一人から選ばれて、またリピートしてもらえるというところを最終目標に、ガイドのスキルをさらに吸収していけたらいいなと思っています。

 

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中津
地域や町の魅力を伝えるためにはガイドの力が大きいなと感じています。ぜひこれからも多くの人に十勝の魅力を発信していってくれたら嬉しいです!

人と人との縁を紡いでいったことが自身のキャリアやガイドのあり方に繋がったという相楽さんの生き方は、「やりたいことを実現したいけど、どうしたらいいかわからない」と悩む人の勇気になるはず。

普段は知れない十勝にまつわるストーリーを聞きたい人はもちろん、人生に迷っている人がいたら相楽さんと一緒に自転車に乗ってみるのはどうでしょうか。きっとその一歩が相良さんのように何か素敵なことに繋がっていくと信じて。


Sagaride Cycling & Coffee Service
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