こんにちは!芦野店の小林です。
今回は釧路のフリーペーパー「フィールドノート」の生みの親である清水達也さんに誕生秘話を伺いました!
前編では「釧路を印象のない街にしたくない」という清水さんの思いを伺いましたが、今回はユタカコーポレーションさんとの出会いや発刊にあたり大切にしていること、そしてこれからのフィールドノートについて直撃しました!
ユタカコーポレーションとの出会い
清水さんの熱い想いから生まれたフィールドノートでしたが、費用の問題から当初は3号までの発刊までしか計画できなかったそうです。
その頃にたまたま出会ったのが、ユタカコーポレーションの代表取締役社長である木村拓也氏。実は木村社長は、硬い不動産業界のイメージを変えたいと、以前から暮らしの情報を伝えるフリーペーパー発刊の構想を抱いていたのだそうです。
一見、フリーペーパーと不動産業は全く違うもののように感じますが、どちらも人々の暮らしに関係するもの。本業とは違った切り口で人々の生活に寄り添うことが、不動産業のイメージを変えることにもつながるというのが、木村社長の思いでした。
話を重ねるうち、木村社長もまた「なぜホームを応援するように、地元のお店を利用しないのか」という考えだということを知った清水さん。何度も話し合いを重ね、2015年、遂にユタカコーポレーションのいち事業部として新たなスタートを切ることになりました。
ちなみにフィールドノートを見てみると、不動産情報は全く掲載されていないんですよね。不思議じゃないですか?これは実は、不動産業と広告業が融合したアイデアなんだそうです。
経費などのことを考えると、やっぱり一緒にするのがいいそうなんですが、それだとフィールドノートで本当に伝えたいことが伝わりづらくなってしまう。そのため不動産情報は「KEY OF LIFE」にまとめて掲載することになったのだそうです。
現在デザイナーと二人でフィールドノートを発刊しているという清水さん。しかし取材や撮影、文字を起こすところは清水さん一人で担当されているそうです。それだけでも大変だと思うのですが、さらにすごいことに清水さんは、発刊されたフィールドノートをできるだけ自分の手で配って回っているそうです…!
先程配布先を拝見しましたが、ものすごい数ですよね…それを一つずつ配って回ってるんですか!?
さすがに全部は難しいですが、釧路市内はできるだけ自分で配るようにしています。
それでもすごい数ですよね…どうしてなんですか?
私は昔から音楽活動をしているのですが、ライブやイベントのチラシを配るのは、ほとんど自分たちでやっていました。主に私たちのことを応援してくださる方や、地域のお店に置かせていただいていたのですが、お店の方がお客様に「こんなイベントあるんだ、行かない?」と誘ってくれることが多くて、私もその方を紹介していただいて、新たな人脈が生まれたりして。SNSがない時代もそうしたネットワークはあったんですよね。
素敵ですね。
実は、フィールドノートを配布していただいているお店の方から「お客さんが新しい物件を探してるんだって」とか「フィールドノート置きたいって言ってるよ」とご紹介くださることがあるんです。そうしたお店との関係性から生まれるつながりが、私にとってのやりがいになっています。
ですので、できる限り自分の手で配るようにしています。
五感で感じる「釧路」
フィールドノートはWeb版もありますが、ベースになっているのは冊子の情報です。今やだれでもインターネットで情報を配信できる時代。広く普及したいならWebがいいんじゃ…なんて、ひっそりと思っていました。
そんな疑問を清水さんにぶつけてみることに。すると、SNSが普及した今だからこそ感じる「アナログ媒体のよさ」を生かしたいという思いから、冊子にこだわっているとのお話が。
視覚だけを使うことの多いWebとは違い、冊子はさまざまな感覚を使って情報を得ることができます。
冊子を手にとったときの質感、目から入る情報、紙をめくっていく感じやインクのにおい。
こうして入ってくる情報の方が、その人に入りやすいと清水さんは考えているそうです。
また配布先のお店を訪れ、フィールドノートを手にとって持って帰るという行動(経験)も情報のひとつ。こうした一連の流れがその人の中に残っていく。だからこそ冊子であることを大切にしたいそうです。確かに、こうした経験は、Webではなかなかできません。
もちろんSNSにもいいところはたくさんあります。でも便利になった分漏れているものもある。だからこそ五感でフィールドノートというものを感じてほしいし、できれば自分が経験したように、これをきっかけにお店の人と仲良くなってほしい。そういった思いがあるそうです。
取材を終えて
8号目時点で6,000部を発刊しているというフィールドノート。もともとは地元の方向けに始めたフリーペーパーでしたが、今や釧路を訪れるさまざまな方に、この土地を知るきっかけを与える冊子になっているように感じました。
清水さん自身も「色々な人が関わることで刺激ある媒体になれば」という思いをお持ちだそうです。こうしてさまざまな目線が重なり、釧路という場所がよりよくなるようなツールになればという思いも持っているのだとか。
Do-Lifeもそんなツールになっていけばうれしいですね。これからも発刊を楽しみにしています!取材にご協力いただいた清水さん、そしてユタカコーポレーション様、本当にありがとうございました!