釧路に住んでいる方なら一度は来たことがあるのではないでしょうか!?
今回は北海道最大の動物園「釧路市動物園」に取材に伺いました。
動物園に来たことがある方はこんな展示に見覚えはありませんか?
めくると…
「は」がないからごくっとのみこむんだ!!と書いてあります。
よく見ると、小さなお子さんでも読めるように読み仮名もふってありますよ。
こちらはどうでしょうか。
めくると…
1日合計15kg!!ホッキョクグマがえさをいっぱい食べるのがわかります。
展示のおかげで動物を見ながら、動物の生態についても知ることができますね。
他にも、ペンギンのところにはペンギンの本物の羽、卵の展示があります!
こういうのがあると、「なんだろう!?」と興味を持ってしまうはず!
園内のあちこちにある、このような手作りの展示。
一体、誰がつくっていると思いますか?
①飼育員さん ②学芸員さん ③獣医師さん
正解は②の学芸員さんです!
では、展示を作成する以外に学芸員さんはどんなお仕事をしていると思いますか?
- ①ワークショップ・イベントの準備
②学校と連携
③HP、SNSの管理
④報告書の作成
実は…①~④まで全部、学芸員さんのお仕事なんです!!!
びっくりするぐらいたくさんのことをされているんです!
今回は、みんなには知られていないけど実はすごい!釧路市動物園の学芸員の木村さんにお仕事について教えてもらいました。
学芸員さんは動物園のアイデアマン!
学芸員さんは園内にあるパネルなどの展示物の作成のほかに動物園内で行われるワークショップやイベントの準備もしているそうです。
内容はどんな風に考えられているんですか?
ワークショップだと、いろいろ考えて出てくるアイデアを実際にやってみて、子どもでもできるかな?と考えながら作っています。あまり精巧なことをやると子どもが作れないので。例えば以前作ったのだとこちらですね。
ワークショップを開催してダチョウの卵をくっつけてみたり、羊の毛狩りの日には実際に動物園の羊の毛を貼って作れるようなワークショップやっています。羊の毛と自分達が着ている服の繊維との結びつけができますよね。そういう体験学習的な要素も入れています。
そうなんですね。身近な服と動物が関連していると知るとより親しみが湧きますね。
この他にスタンプラリーやクイズラリーとか考えてみて、テーマに合わせていろいろクイズを出して、答えてもらうと景品がもらえるというのも作っています。
(学芸員さんが作ったスタンプラリー)
(スタンプラリーの片面は動物たちの写真になっている)
内容を考えるのはもちろん、場所も何の動物でクイズを出せば効率よくまわって来られるかなとか考えて作っています。
園内、すごく広いですよね!動物を見ながら園内を歩き回るってお客さんとしても楽しく運動ができるのでいいですね。
あとはイベントの内容も考えたりしています。春祭りとか大きなイベントの大まかな流れは「管理」といって事務系の方がある程度作っていくんですけど、イベント内容の中に例えば動物のクイズの話が入ったり、いろいろな細かいイベントが入ってくるんですね、ワークショップとか。そういうのは全部学芸員の方で「今回はこのテーマでやりましょう」とテーマを決めて毎回やっています。
展示も考えたり、イベントも考えたり、学芸員さんの頭の中はどうなっているんですか!?すごいです!
アイデアのためにいろんなところに顔を出して情報を得て、思いついたらやっていたりします。
釧路市動物園の学芸員さんのお仕事は「教育普及」をメインにやっているそうです。
教育普及と言葉だけ聞くと固そうなイメージだったのですが、実際にお話を伺うと、楽しく動物について知れるような工夫がたくさんされていると思いました!
学芸員さんが常にお客さんの視点でさまざまなアイデアを考えてくださっているからなんだと思います。
学芸員さんのお仕事は園外にも!
学校と連携して学校の総合学習とか職業体験とか、それも全部学芸員の方で調整しています。
動物園内だけにとどまらないんですね!
そうですね。
大変なことなどはないですか?
ときどきあるのですが、同じ学校から何回もお願いをいただくときには、「去年それやった!」って言われることもあるので、去年来た子のリストとかもときどきチェックするんですよね。同じものがあたらないようにしていますので、結構、裏方の細かいところまでやってはいます。
いつも新鮮な気持ちで楽しめるように工夫されているんですね。
学校との連携も教育普及の役割のひとつ。そのため、学芸員さんは遠足で来園した小学生や幼児にウサギやモルモットの抱き方の指導、学校から依頼があれば動物園のお仕事のお話をする出前講座にも出かけているそうです。
園内から動物園の外までひっぱりだこ!学芸員さんは何人いても足りないくらい大変そうです!
園内、園外ときて次はネットも!?
寒い時期だと、熱帯系の動物は早くしまったり、遅く入れたりするそうです。
そういった連絡が飼育員さんから来るとすぐに園内へ知らせたり、HPやTwitterに全部連絡をしなきゃいけないとのこと。
なんと…そういったことも全部学芸員さんがやっているそうです。
動物の連絡のほかにホームページのニュース関係とかも学芸員さんが書いているみたいなので、本当に業務が多いです!!
そして時には楽しくない仕事も…
動物がいつ生まれて、いつ亡くなったなど、そういう情報を全部データベースに残しているので個体ごとの記録も学芸員さんが担当しているとのこと。
その他に全国の動物園水族館で組織されている日本動物園水族館協会への報告書や動物たちの血統登録、市の教育機関に出す報告書を作成するなど、事務仕事も多いそうです。
仕事内容を聞いて思ったこと
獣医師の藤本さんは「学芸員さんは雑芸員とか、学のある芸人で学芸人と言ったりしています。本来の業務がわからないくらいあっち、こっちとたこの足のようにやっています。」と言っていました。
本当にその言葉通り、携わる業務が幅広くてびっくりしました。
今まで知らなかったのが申し訳ないぐらい、学芸員さんは縁の下の力持ちとして動物園を盛り上げているんだと知りました。
園内から園外まで活躍する学芸員さんに最後に動物園の見どころを聞いてみました。
動物園のどんなところに注目して見たらいいですか?
なんだろう、楽しく動物を見てもらえたらいいですね。あとは、「可愛い!」だけじゃなくてパネルを見て「そうなんだ~」と思ってほしいです。
この記事を読んだ皆さん、釧路市動物園に行かれる際は園内の展示物までじっくり見てみてください!
■釧路市動物園
住所:北海道釧路市阿寒町下仁々志別11番
電話番号:0154-56-2121
・開園期間
4月10日~体育の日(10月):午前9時30分~午後4時30分
体育の日の翌日~4月9日:午前10時~午後3時30分
・休園日
12月~2月の毎週水曜日(祝祭日にあたる日を除く)
12月29日~1月2日(年末年始)
釧路トヨタの社員が記者として、くるまやくらしを通じて感じた道東エリアの魅力を伝えるWebマガジン「DO-Life」