前回の【こんなところに道東人!】インタビューに引き続き、元「ZIGGY」のドラマーで現在「THE8-eit」で活躍中の阿寒町出身、大山 正篤さんにお越しいただきました!!
今回は大山さんが20年通っているという、オススメのジンギスカン屋さんで、羊肉を食べながらソウルフード「ジンギスカン」について語ってもらいました。
本場のジンギスカンを東京・目黒の老舗で
お店は目黒で25年、老舗の大衆ジンギスカン屋『目黒港屋』さん。お店のお父さん・お母さんも北海道出身、もちろん食材も北海道から仕入れているそう。
『目黒港屋』さんはメニューも至ってシンプル。そして各テーブルに排煙ダクトといったものはついていないので、ガスコンロに鍋というまさに家庭的なスタイル。さっそく大山さんはビールと生ラム・マトン・ラムロールを注文。
これぞジンギスカン!って感じですか?
そうですね~。でも道民からするとジンギスカンは家庭料理でございます。ジンギスカンで育ったみたいなもんですね。なので北海道にいた頃は、こういうふうにお店で食べるってことはしなかったですね。こっちでいうカレーみたいなものですけど、ジンギスカンは煙と臭いが激しいので内地のマンションみたいな密閉された空間でやろうとすると、なかなか難しいものがありますよね。
上京当時はジンギスカンが食べられるお店はなかったそう。
東京でジンギスカン屋さんがこんなに増えたのって、ここ10年から15年くらいじゃないですかね。羊肉がヘルシーだって知られるようになってからですよね。15年前……、といっても僕はすでにおじさんか。今もさらに立派なおじさんになりましたけど!
そんなことないですよ!!! あ、お肉が来ましたよ。
そうそう、これがラムロール。成型肉ですよ!!
と、ここでお肉を運んできてくれたお店のお母さんが「成型肉」について一言。
お母さん「《成型》って単語のイメージがなんだか悪いですよねぇ。羊の肩から腕にかけてのお肉なんだけど、それを挽いてスライスしやすいようにって、うーん、そうするとやっぱり成型肉なのよねぇ……」
羊は他の畜産に比べて小さいため、使いやすくするために肉を巻いてロール状にしたのがラムロールの始まりだそうです。お肉が来たのでさっそく焼こうとしたところ、
野菜からですよ!!! 野菜をまずは周りに敷いて……、そうそうそう。
怒られるトヨジカでした。
※トヨちゃんは名古屋から釧路トヨタへ出向中です。
野菜を置いていると、今度はお父さんが生ラムとマトンを運んできてくれました。
お父さん「はい、これが一番人気の生ラムね」
お父さんにメニューについて聞いたところ、
ジンギスカン・メニューの人気順は、
1位:生ラム
2位:ラムロール
3位:マトン
だそうです。
お店にはジンギスカンの他にランチや定食もやっていて
ランチではドライカレーが人気だそうです。
まずは生ラムから焼いてみましょうかね! 東京だとジンギスカンでポピュラーなのは生ラムですよね。では食べてみようではありませんか!!
と、トヨジカのために手際よく大山さんが肉を焼いてくださいました。
普段、料理はするんですか?
しないですけど、ジンギスカンは慣れてますから~。
ここで生ラムが焼けるまでの間、大山さんが地図を見るのが好きというお話に。
地図を見るのが好きなんですよね~。例えば住んでるところに昔何があったんだろうとか調べたりするんですよ。ちなみにお店のあるこの辺は、将軍さまが鷹を狩る場所で野っ原だったんですよ。
その名残が目黒区にある鷹番という地名だそう。と、地名のお話をきいているうちにお肉がいい感じに。まずは生ラムからいただきます。
どうですか、トヨジカちゃん!
めっちゃ美味しいです!!!
美味しいけれどもお肉に歯ごたえがあってなかなか噛み切れないトヨジカ。
生ラムをやっつけますよ~。どんどん食べてくださ~い!!
は、はい!
どんどんお肉を焼いてくれる大山さん。ここで大山さんからトヨジカへの質問が。
ジンギスカンを食べるのは初めてってことはないですよね。
あ、はい、羊肉に抵抗はないです!!
※トヨジカは鹿ではありません。
羊肉は「獣くさい」ってイメージがありますけど、僕はですね、声を大にして言いたいことがあるんです! 我々道民にとっては「牛肉の方がくさい」!!! 東京の人の《肉》の代表は「牛」ですよね。道民は羊肉に慣れてるんですよ。
なるほど、確かに牛肉をくさいって思ったことがないですね。
さて、次はどっちの肉を焼いてみましょうか! マトンかラムロール、はい、どっち。
えっと、もしかして食べ方ってあるんでしょうか?
ないよ! あ、でも肉を焼いてからタレに漬けるのと、すでにタレに漬け込んだ肉を焼くっていう違いはありますね。うちは「ツケダレ派」ですでにタレに漬け込んだ肉を焼いてました。よし、じゃあ次は大人の羊にしますかね。
ということで、お次はマトン。
大山さんはラムとマトンどちらが好きですか?
そうですね~、どっちも好きですよ。要は調理次第なわけですよ。どんな素材がきてもフレキシブルに対応して料理として出せるようにする、それが「プロ」ってものですよ!
な、なるほど。
たまにいいこと言うんですよね~、僕。
お肉を焼かせてばかりでなんか申し訳ないです。
いいんですよ~、お肉を焼くのなんて全然大丈夫ですよ。もっと変な仕事の依頼いっぱい来ますから。
変なお仕事ってなんですか?
うーん、「アルゼンチンでペンギンとじゃんけんをする」とかですかね。すごい惹かれたんですけど、現地集合でって言われて(笑)。オーストラリアかなんかのテレビ局から来た仕事でしたけど、僕のことをなんだと思ったんでしょうね(笑)。あれは今でも謎ですね~。世の中には、よくわからないことっていっぱいありますよね。
「アルゼンチンでペンギンとじゃんけんをする」というなんともいえないパワーワード……。想像するとほのぼのしますが、それはさておき、マトンをいただきます!
これぞ道東の味、マトンとラムロール!!
やっぱりマトンはパンチが効いてますよね。歯ごたえと口の中に残ったこの獣っぽい感じ。
今まで食べてたジンギスカンってラム肉だったんですね、それくらい違いますね。
そうなんです、マトンを出すジンギスカン屋さんって東京にあまりないんですよ。僕は道民なんでやっぱりマトンの方が好きですかね。この《肉を食べてるぞ!》って感覚が。
初めて食べましたが、このマトンの味ってなんて例えたらよいですかね。
獣!!! やっぱりラムよりも《ビーストエッセンス》が強いですよ。
ビ、ビーストエッセンス……
ビーストエッセンスを堪能した後、いよいよラムロールへ。
いよいよですね、道民の心の友、ラムロールを焼いてみましょう! ラムロールになると東京では出すお店がさらに少ないですよね。これが間違いなく北海道の味ですよ、食べてみて!!!
独特の味がしますね!
そうなんです。あと、この薄さだから何枚でも食べられるんですよ!! エンドレス・ラムロールですよ。
生き生きとしてくる大山さんを見ていて思わず、
羊を食べると嬉しいですか……?
嬉しい! 自分が道産子なんだって確認できる感じ。今日食べてあらためてマトンが好きだなぁって感じましたね。
ということでマトンをもう一皿おかわり。ジュウジュウとしっかり焼ける肉の音と煙が立ち込めてきました。
この肉汁が染みた野菜を食べた後にマトンですよ。このくらい焼くとですね「羊食ってる!」ってなりますよ!! ちなみにトヨジカちゃんの1番美味しかったのはどの肉?
生ラムですかね。
……それだと北海道で生きていけないぞ! マトンだよ。獣というものを知りなさい!!
う、す、すみません。
最後に再び怒られたトヨジカ。獣というものを知ります!! ※トヨジカは鹿ではありません。
ということで、取材をOKしてくださったお父さん、ありがとうございます。
道東の皆さんも、東京で地元の味が恋しくなったら、お肉も美味しくてコスパ最高な『目黒港屋』さんに、ぜひ行ってみてください。
目黒港屋
住所:東京都目黒区下目黒2-23-16 パラスト目黒 1F
電話番号:03-3493-0493
営業時間:月曜〜木曜日 11:00~14:00(ランチ営業)・17:30~23:30
金曜〜日曜日 17:30~23:30
定休日:なし
Profile
大山正篤(おおやま・まさのり)
1964年5月25日生まれ・北海道釧路市出身。
「G.D. FLICKERS」「ZIGGY」のドラマーを経て、音楽プロデューサーや講師として活躍。現在はバンド「the 8-eit」のドラマーとして活動中。
Information
『the 8-eit presents【情欲のおもてなし♡】』
開催日時:11月25日(日)18時00分開演(17時00分開場)
会場:下北沢「MOSAiC」
入場料:3,500円(前売り)/4,000円(当日)
チケット予約:https://www.the8-eit.com/tickets/
『Salon du Detester #16』
開催日時:12月29日(土)19時開演(18時30分開場)
会場:「ZIRCO TOKYO」
入場料:4,000円(前売り)/4,500円(当日)
チケット予約:e+
Officialウェブサイト
「the 8-eit official site.」