上士幌町の市街地を超えた先にある糠平エリア。

大雪山国立公園内に位置し、温泉や釣り、登山など自然の豊かさが体感できるアクティビティがたくさんあるこの地に、冬の期間だけ出現するカフェがあります。その名も「アイスバブルカフェ」。

アイスバブルカフェとは糠平湖が全面氷結し湖上に立ち入りができるようになる厳冬期にだけオープンするカフェのこと。
今シーズンも１月６日から営業を開始したと聞き、さっそく遊びに行ってきました！

国道２７３号沿いをまっすぐ進んでいくと現れる五の沢駐車場。冬の時期は観光客でびっしり車が停まっています。早めの時間に行くか、乗り合わせて行くことがおすすめです。

便数は限られていますが、高速バスも近くを通っています。

駐車場の先にアイスバブルカフェの看板がありました。アイスバブルカフェへは森の中を通っていきます。踏み跡もあるので大丈夫。迷子になることはありません。

５〜１０分ほど歩くと景色が開け、一面真っ白な糠平湖とオレンジ色のかわいいテントが見えてきます。このテントがアイスバブルカフェです。

アイスバブルカフェはコーヒーやカレーなどのカフェメニューはもちろん、物販も楽しめます。今年から取り扱いを始めたワカサギクッキーがコーヒーに合うと人気なんだとか。

また、５周年記念として音更のカシオペイアコーヒー店さんにお願いしてオリジナルブレンドコーヒーを作ったそう。こちらもアイスバブルカフェ限定商品となっています。

この時期の糠平湖は、カフェの名前にもなっているアイスバブルを見に来た方や、ワカサギ釣りをしに来た方、ファットバイクで湖の上を走る方などで賑わっていました。

アイスバブルカフェは湖上に繋がる入り口にあることから、観光案内所としての役割も果たしています。

カフェのオーナーを務める相楽秀明（さがらひであき）さんは普段ガイドのお仕事をされており、その知識を活かしてお客様と情報交換を行っていました。また、相楽さんは糠平湖上をファットバイクで走るツアーも企画されているそう。

そんな相楽さんに、アイスバブルカフェについてお話を伺いました。

アイスバブルカフェはどのような経緯で始まったのですか？

このカフェは上士幌町観光協会の事業の一環で行われています。アイスバブルが観光資源として話題になっていたところから着想を得て始まりました。

また、そのカフェの話とはまた別に湖の上を自転車で走らせたいという構想も観光協会の方が持っており、元々僕がサイクリングツアーをしていたのでその二つをまとめたのが今のアイスバブルカフェの形です。

全面氷結した湖上を走れるなんてなかなかできないですよね。わたしも以前ツアーに参加させてもらいましたが、景色が最高でした！

ファットバイクツアーではタウシュベツ川橋梁の近くまで行くこともできる（2022年筆写撮影）。

以前から一部の自転車乗りの方は走ってたんです。ただ許可もないし、事故があれば大変なことになる。なら堂々とアクティビティとして楽しんでもらうのはどうかということで始まったツアーです。そして、そのツアーに合わせてセーフティープログラムが作られました。

自転車に乗りたい場合はまず観光協会のHPにある予約フォームから申請していただき、通行証をもらうことが必要です。それがなければ湖上を走ることはできない決まりになっています。

また、ツアーに参加する方にはファットバイクをお貸しできますが、バイクだけレンタルをすることはできないのでご注意ください。

自転車に乗るためにルールが作られたのですね。この取り組みは浸透していると感じますか？

そうですね。だいぶ浸透してきていると感じますが、まれに通行証がない方がいるので、そういう方には現地でお声がけしています。
事前の申請が出来なかった場合はひがし大雪自然館かアイスバブルカフェでも申請のご対応が出来ます。申請することによってこちらにも自転車に乗る方が何名来るのかが伝わり安全管理にも繋がるので、ご協力をお願いしています。

アイスバブルカフェにはサイクルスタンドやメンテナンスの道具も用意されています。

各機関と連携しながら取り組みを進めているところですね。糠平に来る方々の安全を守るための大事な取り組みだと感じます！

ちなみに、自転車乗り以外の一般のお客様にもこちらでお声がけすることもあります。今の時期は湖上を歩いてタウシュベツ川橋梁に行くことができるのですが、時間帯や天候、服装によっては通行を止めさせていただいています。

相楽さんが声をかける時の天候状況など、何か目安はありますか？

アイスバブルカフェが15時でクローズするのですが、その時間帯に来る方ぶは帰り道が真っ暗になってしまうので声をかけますね。あとは風が出てきたり曇ってきたりして、吹雪やホワイトアウトが起きそうなときも止めさせていただきます。

この場所に相楽さんがいることで防げている事故もきっとたくさんあるのだろうなと思います。

お客様からすれば「口うるさい人だな」と思うかもしれないけど、そうじゃないと思うんです。この場所の開放も安全なうちは出来ているけど、何かが起きたらストップがかかってしまうので。

安全を守ることがこの豊かな自然を長く楽しめることに繋がるということですね！アイスバブルカフェがインフォメーションとしての役割を担っていることがよく伝わってきました。

 

美味しいカフェメニューや綺麗なロケーションを楽しむだけではなく、遊びに訪れた観光客や自然のアクティビティを守るという意味でもアイスバブルカフェは冬の糠平にはなくてはならないスポットになっていました。

残念ながら気候の影響で2月1日より湖上立ち入りが全面禁止となってしまい、今年は例年より早いクローズになってしまいました。しかし、来年もこの取り組みは行われるということなので、ぜひ次のシーズンはみなさんも相楽さんの入れるコーヒーでホッと温まりながら、糠平の自然を楽しんでくださいね！

そして、相楽さんからはアイスバブルカフェ以外にもいろいろとお話を伺いました。そちらは次回の記事にて紹介させていただきます！

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アイスバブルカフェ
住所　糠平湖湖上（５の沢橋梁駐車帯より徒歩350ｍ）
営業時間　10:00～15:00　
Instagram　https://www.instagram.com/hideaki_sagara/
※2024年シーズンの営業は終了しています。

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