こんにちは。ドライフ記者の田中です。
突然ですが「間借りカフェ」という言葉は知っていますでしょうか?
間借りカフェとは自分の店舗を持たずに、すでに営業しているお店の営業時間外で営業したり、レンタルキッチンなど借りて飲食を提供するスタイルのことです。
最近テレビでも特集を組まれるほど注目されているので、言葉は耳にしたことがあるという方も多いかもしれません。
十勝にも店舗を持たずに間借りカフェで開業している方がたくさんいます。 そこで今回は帯広に拠点を持ち、十勝管内で活動している間借りカフェ『Lamp Light COFFEE(ランプ ライト コーヒー)』に取材してきました。
たくさんの選択肢がある中でなぜ間借りカフェというスタイルを選んだのか、どんな思いで営業しているのか、そしてこれからのビジョンは。
Lamp Light COFFEEの店主、国本 貴之(くにもと たかゆき)さんが胸に秘める熱い思いを話してくれました。
出来ないからこそ何回も挑戦したラテアート
Lamp Light COFFEEの拠点である『中一(ナカイチ)』は西3条通の『六花亭 西三条店』の反対側にあります。
築60年の趣のある建物が特徴的です。
二階にも席があります。
こんにちは。本日はよろしくお願いします。 国本さん、早速質問なのですがなぜ間借りスタイルでお店を営業しようと思ったのですか?
札幌で間借りカフェスタイルが流行っていたけど十勝には間借りカフェがあまりないなと思って、それなら自分でやってみようかなと思ったのがきっかけです。もともと珈琲が好きでラテアートを習っていたので、美味しくておしゃれなラテを堪能できるお店にしようと思っていました。
もちろん珈琲そのものも美味しいですけど、Lamp Light COFFEEといえばラテというぐらいファンの多いですよね。ラテに描かれるイラストもSNS映えしてとても可愛いです。
自分が不器用だったこともあり、ラテアートを習得するまで何回も失敗をしました。 上手にできないからこそ悔しくて絶対にできるようになってやるという気持ちで挑戦していましたね。毎日何杯も練習して、やっと少しずつ思い描くイラストが描けるようになりました。
とても簡単そうに描いているように見えるのですが、たくさんの練習が必要なのですね。
コツさえ掴めば、誰にでもできると思います。スチームミルクを波状に珈琲に乗せられるようになるとラテアートの面白味が増しますね。
カフェラテ(HOT/ICE)650円
不定期にラテアート教室も開催しています。
いつ間借りカフェとしてスタートしたのですか?
2022年2月28日に『ELEPHANT IN THE ROOM(エレファント イン ザ ルーム)』でスタートしたのが始まりです。月に2~3回ほど出店していました。ドリップ珈琲、ラテ、カヌレ、バスクチーズケーキなどメニューはこの頃からあまり変わってないです。
始めの出店は中一ではなかったのですね。
『ELEPHANT IN THE ROOM』が飲食店ではなく雑貨屋にリニューアルするタイミングで中一のオーナーさんを紹介してもらい、今の営業スタイルになりました。
中一は飲食店ではなくレンタルスペースなので、初めはカフェ営業ができるかなという不安もあったのですが、営業していくうちに愛着が湧いていきお店と中一の雰囲気が馴染んでいったのかなと思っています。とても居心地がいいのでしばらくはここで続けていきたいなと思っています。
いつかは自分のお店を持ちたいなどの願望はありますか?
いい物件に巡り合えれば、自分のお店を持ちたいなとは考えています。
自分で美味しいと思う珈琲を提供したい
お店で使用している珈琲豆について教えてください!
札幌の『Salvador Coffee(サルバドールコーヒー)』で購入した珈琲豆を使用しています。このお店は、Lamp Light COFFEEとして活動を始める前から好きで通っていました。珈琲の銘柄は季節によって変わったりしますが、エルサルバドル産の珈琲だけはオープン当時からずっと提供しています。
『Salvador Coffee』以外にも『HIDE COFFEE BEANS STORE(ヒデコーヒービーンズストア)』の珈琲豆も使用しています。店舗は東京ですが、十勝出身の方が経営していると聞いて興味を持ったのがきっかけです。深煎りの味わい深い珈琲なので、エスプレッソにも使っています。デカフェは『サワラコーヒー』の珈琲豆を使用しています。
店内では珈琲豆の購入もできます。
珈琲の他にもカヌレやバスクチーズケーキなどのスイーツも販売していますが、全て国本さんの手作りなのですか?
はい、全て手作りしています。珈琲と一緒に甘いものもあったらいいなと思い、作り始めました。カヌレは一年ほど前まではまだ十勝で作っている人が少なかったので、作ってみようと思ったのがきっかけですね。あと自分がカヌレを好きというのも作っている理由のひとつです。
自家製カヌレ(320円)はラム酒にこだわり、外はカリッ中はしっとりとした食感が堪能できます。口の中に広がるほのかな苦みが繊細でとても美味しいです。
バスクチーズケーキを提供している理由はレシピが単純で作りやすかったからです。 主役はあくまで珈琲なので、あまり作る手間のかからないスイーツがいいなと思っていました。これから少しずつスイーツのメニューを増やしていきたいです。
珈琲のトッピングがアクセントになっているプリン(500円)。
人気メニューの、ピスタチオのバスク(650円)。
ピスタチオの濃厚な味わいととろける食感が魅力です。
それでは、最後にひとことお願いします!
Lamp Light COFFEEを通して、若い世代の方にもっと珈琲を楽しんでもらいたいなと思っています。珈琲は豆の種類や挽き方、ドリップの方法で味が変わるので色々な珈琲を飲んでもらいたいです。
ありがとうございました。これからも国本さんのご活躍を応援しています!
自分のお店を出すにはお金もかかるし、場所も人脈も経験も必要だ。そう思うと、なんだかハードルが凄く高く感じる。だけど、自分のお店を持つことが正解ではない。挑戦することに意味があると思う。
間借りカフェは高く感じるハードルを少し低くして、起業したい人の背中を押してくれる新しいスタイルなのだと感じました。
この新しいスタイルが、若い世代の子が何かを挑戦するきっかけのひとつになったらいいなと思います。
国本 貴之
1990年9月生まれ、えりも町出身。札幌市の高校を卒業後神奈川県の大学に進学。神奈川県で就職するが、仕事の関係で本別町に移住。HOTEL NUPKAでアルバイトをしながら、Lamp Light COFFEEの活動を開始する。
ラテアート教室
開催時間:19:00~
場所:中一
料金:3,000円
要予約、お持ち帰り用のタンブラーをお持ちください。