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新しい本や人との出会いをプロデュースする『読書普及協会チーム釧路』代表の山本さんのお話【後編】

2019.11.17

こんにちは! 鳥取マイカーセンターの小場です。

前編では、釧路で読書の普及に取り組む『読書普及協会チーム釧路』代表の山本 浩史(ひろふみ)さんと、小学校教師として活躍されている奥様の歩美さんにインタビューさせていただきました。

前半では立ち上げや活動への思いを伺いましたが、今回は数多くの本に触れ合ってきたお二人に、子どもの読み聞かせにおすすめの本を年齢別にご紹介いただきました!

※立ち上げや活動への思いについての記事はこちら

お持ちいただいた本は…

 

小場

それでは早速おすすめの本をご紹介いただけますか?

山本(浩)

はい! ちょっとお待ち下さいね…よいしょよいしょ…

小場

(1冊、2冊、3冊…ん? )

山本(浩)

ふー! おまたせしました、こちらです!

 

小場

えええ! めちゃめちゃ多い! ありがとうございます、重かったでしょう…

山本(浩)

どれも捨てがたくて…選定はおまかせします!

小場

できるだけたくさんご紹介させていただきますね!

実はこちらの本の多くは、奥様の歩美さんが選定されたもの。小学校教師という職業柄、子どもたちに触れ合うことが多いことに加え、ご自身も小学校就学前のお子さんの母ということで、今までの経験上「これはおすすめ! 」というものをご紹介いただきました!

0〜1歳児におすすめの読み聞かせ本は?

まだ文字が読めない0〜1歳児向けの読み聞かせ本としておすすめいただいたのは、かわいい動物の写真がたくさん載っている「ねんね」「いいおかお」という本です。

0〜1歳児におすすめの読み聞かせ本「ねんね」「いいおかお」

 

小場

(パラパラ…)か、かわいい…

山本(歩)

そうでしょ? 写真がメインなので、お話できなくてもその様子を伝えることができますし、「これはだーれだ? 」みたいに動物の名前を一緒に覚えることもできるんです。あと写真がかわいいので、読んでいると親の疲れた心も癒やされるんです。自然と笑顔になる絵本ですよ。

私も読んでいてつい笑顔になっちゃいました^^*

2〜3歳児におすすめの読み聞かせ本は?

お話できるようになり、成長とともにいろいろな言葉を覚え始める2〜3歳には、楽しいイラストと言葉遊びが一緒になった絵本がオススメだそうです。

今回ご紹介いただいたのは「あっちゃんあがつく たべものあいうえお」「しりとりしましょ!たべものあいうえお」の2冊です。

山本(歩)

「あっちゃん あがつく」はあいうえお順、「しりとり しましょ」はしりとりで色々なものを紹介している本です。最初から順番に読むのもいいですし、例えばお子さんのお名前やお母さんの名前、お友達のお名前のページを探して読んでみるというような楽しみ方もできます。

小場

確かに! 知り合いの子どもがそうだったんですけど、この頃ってどんどんページをめくっていっちゃいますよね。だからこういうのはいいかも。

山本(歩)

どちらもイラストが豊富で面白いものが多いから、絵を見るだけでも楽しめますよ。うちではイラストを見ながらクイズを出したり、実際に見せられないものを、この本を使って教えたりしていました。絵がかけるようになったら、真似して描いたりして。自分のお気に入りのページを探してみるのもいいですね。

「あっちゃん あがつく」は濁音(「だ」など)や半濁音(「ぱ」など)のページもあるので、お子さんの名前の文字が必ずどこかに見つかりますよ! 

4〜6歳児におすすめの読み聞かせ本は?

文字がある程度読めるようになり、本を通していろいろな経験を重ねる4〜6歳児には、物語性があって、大人も一緒に楽しめるものがおすすめだそうです。

今回は「おしりたんてい」を含めた6種類の本をご紹介いただきましたが、こちらはテレビアニメも放映されていてご存じの方も多いと思いますので、今回はその他の5つを詳しくご紹介します。

まずは、子どもだからこその妄想が爆発している「りんごかもしれない」と「おふろだいすき」です。

「りんごかもしれない」

 

山本(歩)

「りんごかもしれない」は、りんごを見た子どもが「これはりんごじゃないほかものかもしれない…」と、想像力を巡らせるお話です。「おふろだいすき」も同じで、主人公の子どもがお風呂に入ると、中からたくさんの動物が出てきて…と話が続きます。

小場

あ〜、私も実はこういうこと、すごい考えます。「あれは黄色に見えてるけど、みんなにも同じように見えてるのかな? 私だけなのかな? 」って。こういうのめっちゃ好きです!

山本(歩)

大人でも楽しめる本なので、「あなたならどんな想像をする? 」と、子どもと一緒に想像力を働かせながら読み進められますよ。

あと、「おふろだいすき」はお風呂に入りたがらないお子さんにもおすすめです。「お風呂に何出てきたら楽しいかな〜」なんていいながら読み聞かせると、お風呂に入るのが楽しくなっちゃうと思います。

小場

では「しゃっくりがいこつ」はどんなお話なんですか?

「しゃっくりがいこつ」

 

山本(歩)

自分が「がいこつ」だという自覚がない、よくしゃっくりをするがいこつのお話です。自覚がないのでご飯を食べたり身体を洗ったり歯を磨いたり、人間と同じことをするんですよ。でも最後に鏡を見て「あ、がいこつだった」と気づいてしゃっくりが止まるっていう。一緒に読んで笑えるお話ですね。

こういう面白い話がある一方で、子どもだけでなく親も考えさせられる本もご紹介いただきました。それが「おこだでませんように」と「しゅくだい」です。

「おこだでませんように」と「しゅくだい」

 

山本(歩)

どちらも、親にこそ読んでもらいたいなと思って選定しました。
「しゅくだい」は兄弟が生まれたばかりの「もぐくん」が、学校で出された「ある宿題」を家族にお願いするお話です。でも赤ちゃんの世話に大忙しの家族の方は、なかなかもぐくんの話を聞いてあげられないんですよね。

小場

(読みながら)あ〜…私ももぐぐんと同じ立場でしたね…。今ならかまってもらえない理由はわかるんです、でもやっぱりその時は寂しいって思ってました。

山本(歩)

そうですよね。これは兄弟がいるいないに関わらず、もしかしたら子どもたちは、さまざまな場面でこんな思いを抱えていたんじゃないかなって、すごく考えさせられる絵本です。

 

小場

「おご」…「おこだでませんように」はタイトルが読みにくいですね…どういう意味ですか?

山本(歩)

その意味は絵本の最後に出てくるんですが、これに気づいた時は涙が出そうになります。一度読んでみてください。

小場

…ああ、そういうことなんですね…。

山本(歩)

主人公の「ぼく」は感情のコントロールが難しい男の子で、良かれと思ってやったことが裏目に出たり、友だちとどううまく接すればいいか分からずに困って手を上げてしまったり…とにかく怒られるんです。

この物語は「ぼく」の目線で話が進んでいくんですが、終盤で大人が「ぼく」の気持ちに気づくシーンがあるんです。そこは何度読んでも泣いてしまいます。

小場

私は子どもがいませんが、怒っている親の気持ちも、ぼくの気持ちもわかります。

山本(歩)

そう、だから切ないんですよね。こういう本を読むと、子どもともう一度向き合いたくなると思います。

番外編! 年長さんから小学校高学年向けにおすすめの本

ここまで奥様の歩美さんのおすすめ絵本をご紹介してまいりましたが、実は浩史さんも子どもにおすすめしたい本をご用意くださいました! どちらかと言うと年長さんから小学校高学年向けの本ですので、気になる方は是非参考にしてみてくださいね。

 

山本(浩)

僕が紹介するのは「おばけのケーキ屋さん」「少女パレアナ」「アミ小さな宇宙人」です。

 

「おばけのケーキ屋さん」「少女パレアナ」「アミ小さな宇宙人」

 

小場

「おばけのケーキ屋さん」以外は文庫本ですね。

山本(浩)

そうですね、私も大人になってから読んだので、大人でも十分楽しめます。

小場

「おばけのケーキ屋さん」はどんなお話なんですか?

「おばけのケーキ屋さん」

 

浩史

「世界一美味しいケーキを作る」と豪語するおばけと、そこに訪れた女の子とのふれあいを描いたお話です。今まで誰にケーキを食べさせても「美味しい! 」と感動されたおばけですが、なぜかこの女の子だけは感動しないんです。その理由は後半になって明らかになります。

小場

(読みながら)ええ! そうだったんですね…これも感動しますね…

山本(浩)

そうなんですよね。でも、どの立場で読むかによって感想が変わるのが面白いポイントで。ぜひいろんな立場で楽しんでみてください。

小場

「少女パレアナ」「アミ小さな宇宙人」は今の私でも十分楽しめそうです!

「少女パレアナ」「アミ小さな宇宙人」

 

山本(浩)

「少女パレアナ」は孤児のお話です。生前、どんなことに対しても喜びを見出すゲームを親から教えられた少女が、周りの人たちの心を溶かしていくお話です。

「アミ小さな宇宙人」はさくらももこさんが表紙のイラストを書いていたのでつい買ってしまいました(笑) 実は世界11カ国語に訳されている名作なんですよ。

取材を終えて

今回の取材を通して、たくさんの本に出会うことができました。「お子様向け」ということで選定いただきましたが、どれも大人でも楽しめるものばかり! お子さんがいらっしゃる方はもちろん、最近感動してないな…という方にもおすすめです。

山本さんが代表を務める『読書普及協会チーム釧路』では、毎月第一水曜の19:00から「くしろ・ゆるゆる読書会」を開催しています。

※「くしろ・ゆるゆる読書会」の詳細はこちら(前編のリンクを張ってください)

初回は無料で、本を持っていく必要もないそうです。絵本が紹介されることはあまりないそうなのですが、これを機に新しい本に出会ってみたい方や、山本さんに素敵な絵本を聞いてみたい方は、ぜひ参加してみては?


読書普及協会チーム釧路の活動はこちら

「くしろ・ゆるゆる読書会」
活動日程:毎月第一水曜日
場所:わっと会議室(変更の場合あり)
参加料:初回 無料、2回目以降 200円
HP:https://ameblo.jp/yomoukushiro/
お問い合わせ方法:メール・TEL・Facebook・専用申込みフォームの中からお選びください。
メール:yomoukushiro@gmail.com
TEL:090-7188-1456
Facebook:https://www.facebook.com/yomoukushiro/
申し込みフォーム:https://bit.ly/2M212bP

今回ご紹介いただいた絵本・文庫本はこちら

<0〜1歳児におすすめ>

タイトル:ねんね
文:さえぐさ ひろこ
出版社: アリス館

タイトル:いいおかお
文:さえぐさ ひろこ
出版社: アリス館

<2〜3歳児におすすめ>

タイトル:あっちゃんあがつく たべものあいうえお
原案: みね よう
作: さいとう しのぶ
出版社: リーブル

タイトル:しりとりしましょ!たべものあいうえお
作・絵: さいとう しのぶ
出版社: リーブル

<4〜6歳児におすすめ>

タイトル:りんごかもしれない
作: ヨシタケシンスケ
出版社: ブロンズ新社

タイトル:おふろだいすき
作: 松岡 享子
絵: 林 明子
出版社: 福音館書店

タイトル:しゃっくりがいこつ
作: マージェリー・カイラー
絵: S.D. シンドラー
訳: 黒宮 純子
出版社: らんか社

タイトル:しゅくだい
文・絵: いもと ようこ
原案: 宗正 美子
出版社: 岩崎書店

タイトル:おこだでませんように
作: くすのき しげのり
絵: 石井 聖岳
出版社: 小学館

タイトル:「おしりたんてい」シリーズ
作・絵:トロル
出版社:ポプラ社

<年長さんから小学校高学年におすすめ>

タイトル:おばけのケーキ屋さん
絵・文: SAKAE
出版社: マイクロマガジン社

タイトル:少女パレアナ
著: エレナ・ポーター
翻訳:村岡 花子
出版社:角川書店

タイトル:アミ小さな宇宙人
著:エンリケ・バリオス
イラスト:さくら ももこ
翻訳:石原 彰二 
出版社:徳間書店

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