こんにちは! DO-Life特派員のマウラです。
十勝は言わずと知れた酪農王国。マウラの知人ももしかしたら一番酪農関係者が多いかもしれません。
ただ、十勝民であっても酪農の事はあまり知られていないのが実情。
今回は「学生さんに酪農のことを知ってもらうため」に作られた酪農家さんたちのグループ『Good酪+』のみなさんのお話をご紹介させていただきます。
動物が好きな人。機械が好きな人。飲食店をやりたかった人。エンターテイメントが好きな人。12人いれば12通りの酪農との向き合い方。
『Good酪+』を立ち上げた北出さん。
実家が士幌町「山岸牧場」で今は旦那様が家業を継がれています。北出さん自身は自社牧場の生乳でヨーグルトを製造・販売したり、お母さんが運営するカフェ「佐倉カフェ」のお手伝いをしたり。「山岸牧場」トータルのマネージメント業務をされています。
同じく『Good酪+』立ち上げに関わった広尾町の菊地亜希さん。
以前「Do-Life」でもご紹介した『菊地ファームカフェ』のオーナーでもあります。
そのほかのメンバーは、、、
↑鹿追町内海ファームの内海さんと音更町河田牧場の河田さん。
↑広尾町菊地ファームの菊地さんと鹿追町菊池牧場の菊池さん。菊地ファームの菊地さんは菊地亜紀さんの旦那様です。
↑鹿追町(有)佐藤牧場の田中さんと大樹町坂根牧場の坂根さん。
↑新得町北広牧場の若杉さんと足寄町新妻牧場の新妻さん。
↑芽室町大友牧場の大友さんと鹿追町カントリーファーマーズ藤田牧場の藤田さん。
以上12名が『Good酪+』のメンバーです。
同じ酪農業でもカフェであったり乳製品製造であったり観光牧場、畜産などなど様々な事業を展開されている方も多くいます。
そんな個性的な『Good酪+』のみなさんにそれぞれの想い、『Good酪+』の活動のことなどを聞いてみたいと思います。
ここはちょっと他と違うよ、という特色があれば教えてください。
うちは観光牧場でもあるので牛舎は上から見学できるようになっています。これは珍しい仕様だと思います。
こちらはマウラも見学しましたが真上から牛の日常を見る事ってまず無いのでとても印象に残りました。
自社牧場の生乳でチーズを作っています。また来年度には窓から牧場の営みが見える宿泊施設も稼働する予定です。
僕はエンターテイメントの要素がないと仕事はできません。たまたま酪農という環境があってそれをどうやってエンターテイメントにするか、という考えで仕事をしています。この牧場や乳製品で多くの人に喜んでもらえる。それがエンターテインメントです。
これ本当に特別すぎる宿泊施設ですよね。衝撃でした。また坂根牧場の作っている「乳life」のチーズは牛乳そのものの味が堪能できてマウラも大ファンです。
うちの牧場は搾乳ロボットを入れたり牛の管理も機械を導入するなどして、出来るだけ人間が無理のない働き方ができるようにしています。
酪農家になっていなければエンジニアになりたかったです。機械が好きなんです。
牛の出す生乳の量などがデータで蓄積され、それを元に「牛の調子良くないかもよ」などと機械が教えてくれる時代。酪農のイメージが変わりますね。
うちでは酪農の他に、自社で作ったエサを与えた肉牛も育てて加工品を作っています。牧場では比較的やりたい事をやってきましたが経営の面でも安定させていかないといけません。だから肉牛加工にも力を入れていきたいんです。
内海ファームのシャルキュトリは割と高価格帯ではあるけど販売すれば知り合いで売り切ってしまうほどの人気です。
うちも「北広ミルク」という乳製品の加工・販売をしています。この仕事は奥が深くてやりがいだらけです。酪農は「対:人間のため」というより「牛をどうやったら健康的に育てられるか」という仕事なので動物が好きな人に向いてると思います。
うちは放牧地にお客様を案内したりイベントでも放牧場を解放したりしているので、牛との距離感が近いところは他と違う部分だと思っています。牧場内に人を入れるということは同時にリスクも抱えますが、スタッフの力を借りて丁寧に安全に遂行できています。
私はもともと食品加工をやりたかったんですが、ただ単純にジェラートを作って販売、ということではなくそこに「酪農」という仕事を伝えたい、という想いを乗せて運営しています。
うちにはバイオマスプラントがあり循環農法をメインでやっています。
お恥ずかしながらマウラが思う酪農家さんの印象は「生乳を搾るだけ」というイメージが強かったのですが改めてお話を聞くと「酪農を通して」様々な事業・様々なやり方があり、一括りにはできない業種なんだとわかりました。
『Good酪+』のみなさんは学生さん向けにこのようなお話をされる活動をしています。
では続きまして、『Good酪+』についてお聞きします。みなさんは『Good酪+』の何に魅力を感じて活動をしているんですか?
自分が立ち上げたのですが根本は「このメンバーを自慢したい!!」という想いがあります。こんなに面白い人たちが酪農業界にいるんだということを学生の皆さんに知ってもらえれば、今後「酪農をやってみたい」と思ってくれる人も増えるんじゃないかと思っています。
地区は違うけど同じような年代でいろんな刺激にもなるし、それぞれの経営の規模や形態も違うので勉強にもなります。酪農家側から、消費者でもある学生さんに会いに行けるチャンスでもあります。
それぞれの強みを生かし、やりたいことに挑戦しながら、でも同じ酪農家でベースの考え方は同じであるとか、気持ちが共有できるのがいいところです。みんなで集まって話をしていても「あー。自分も頑張らないとな」と思わせてくれます。
一人一人やりたい事が明確で、集まってもそれを心のそこから出し合っていて楽しくやれているところが良いです。自分自身は今、大きな夢とかはないのですがそれを見つけるために『Good酪+』に参加しています。
普通じゃないことをみんな考えていたり、思っていたり、やっていたりするから集まって話をしている時に刺激しあえます。
自分は酪農教育ファームに興味があってもともと学生さんに酪農のことをお伝えしたいと思っていたので『Good酪+』はちょうどよかったんです。
『Good酪+』の良いところはゆるいところ。観光や食品加工をやっている人がいる一方で「お乳を搾るだけ」の酪農家も居ていいよ、というスタンスです。キラキラしてなくてもいいところがいいです(笑)。
みんな本当に仲がいいです。なんでも気兼ねなく質問したり、聞かれたり。頼りになる仲間です。
今後はどうなっていきたい、など展望はありますか?
僕は酪農を好きでやっていますが酪農の「汚い・きつい・臭い」というイメージを変えたいと思っています。他の人にも「酪農やりたいな、かっこいいな」と思ってもらえるような仕事の仕方をしていきたいです。
ホームステイや酪農体験とかを受け入れるようになって酪農の良さを知って帰ってもらう、ということが快感になったのでそういうことをこれからも続けていきたいと思っています。
牧場を始めた時に掲げた理想に近づけようとはしていますが、まだ足りていない部分もあるのでそこを追求していきたいですね。
この仕事を嫌にならないように、やめたくならないように、無理はしない。そんな働き方を続けていきます!!
『Good酪+』のみなさん。この度はありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。如何せん大所帯のため、ここでは掲載しきれないお話もたくさんありますが、これだけでも「酪農」というもののイメージは大きく変わったのではないでしょうか。
みなさん口を揃えて「酪農は楽しい。飽きない」と言っていたのが印象的でした。
今回のお話を受けて「酪農」という業種は、その切り口によってどんな得意分野の人も活躍できる場である事、やり方は何億通りもあることが「飽きない」と言わしめる理由なんだとわかりました。学校という場だけではなくもっと一般の人にも今回のような話が伝わるチャンスがあれば良いなとも感じました。
「酪農」の世界。今後も追っていきたいと思います。
Good酪+
お問い合わせは北出さんまで
E-mail info@sakura-koubou.jp