こんにちは。DO-Life特派員マウラです。
巷ではここ数年密かにニットブームなのをご存知でしたか? ここ十勝でもニットに関わる作家さんたちが活躍中。DO-Lifeでは、十勝ならではのニットの楽しみ方、そして初めての方でも編み物を楽しめる体験について全2回でお送りします。
羊毛から毛糸になるまでの一部始終公開!!ありそうでなかった糸紡ぎ体験。
せっかくなら毛糸から作りたい!!!
という事で「糸紡ぎ」体験をお願いしたのが、羊毛クラフターの『わたしはひつじ』伊藤さん。
羊毛フェルトの小物や、帽子、ストールなどを作られているほか、
イベントなどで糸紡ぎ体験ワークショップもされています。
この日は「ものづくりカフェMISIN&EATS」さんのスペースをお借りすることに。様々な羊毛を持ってきていただきました!!
サフォーク?メリノ?羊毛の種類を色々教えてもらったけど肌触りの良さと色の落ち着きからマウラが選んだのは、、、
「メリノ」。
1色の毛糸もできますし、この羊毛の段階から色を混ぜる事もできますし、色の違う糸を2本とか3本紡いでそれを合わせて一つの毛糸にする事もできます。どうしますか?
選択肢がいっぱいで迷う!!せっかくだから2本違う色を紡ぎたい!!(3本は面倒笑←心の声)。
紡いだ毛糸で何作りますか?
10年以上使った名刺入れがズタボロになったので名刺入れを作りたい!!
じゃ、100gで充分かな。
と言うと羊毛を犬の毛玉取りみたいな道具、カーダーに擦り付けはじめました。
そしてもう一つのカーダーにその毛を移し替えます。
この作業はなんのためにしてるんですか?
こうやって毛の向きを同じ方向にしておくと紡ぎやすくなるんです。
マウラも見よう見まねでやってみる事に。
流れを整えた羊毛を棒状にくるくるしていきます。
マウラの選んだグレーとくすんだピンクの羊毛棒ができました。割と大量!!ではいよいよ糸紡ぎ!!
まずは伊藤さんのお手本を見せていただきます。
実はマウラ、以前も糸紡ぎ体験させていただいたことがあるのですが、お手本を見ていたら少しずつ感触を思い出してきました。
羊毛の棒から少しずつふわふわを抜き出し紡毛機の回転に合わせて紡いだ糸を送り込んで行きます。と文字で書いても全く伝わる気がしませんが、、(笑)。↑ピンクの糸が巻きついてるのわかります?
思い出した!!!やってみる!!!
と早々にバトンタッチ。
が、やってみるとやはり伊藤さんのように均一にはなりません。途中で切れたりもします。でも糸が太かったり細かったりは割と味になるし、途中で切れても問題なくリカバリーできるのが糸紡ぎの楽しさでもあります。伊藤さん曰く
糸紡ぎに慣れてくると太く紡ぐのが難しくなったりするので、均一じゃない糸を紡げるのは今のうちです。
だそうです。
↑糸紡ぎのもう一つの楽しさは「左手側は羊毛」で「右手側は糸」という、このほんの少しの距離の中に「現在、過去、未来」がある、という哲学的なところ(とマウラが勝手に思っている)。ふわふわの羊毛が一瞬にして糸になるこの不思議な感触は体験してみないと伝わらないかも。
伊藤さんに手伝ってもらいながら2色の糸ができました。これで終わりではありません。この二つの糸を撚り合わせて1本の毛糸にしていきます。
使うのは同じく紡毛機ですが、さっきは右回転だったのに今回は左回転でやるそう。
どういうことやーーーーーー!!!
理屈はわかりませんがとにかく言われた通りやってみます。
さっきまで2本だった糸が一瞬で1本になっていきます。ここでも「現在、過去、未来」の哲学が。
1本の毛糸になって終わり、かと思いきやまだ作業が残っていました。
手芸屋さんでよくみる「毛糸玉」。あの形にする機械がこれ↑
レバーをくるくる回すだけでコロンとした毛糸玉になっていきます。
この理屈もわからなくて不思議だけど楽しいーーーー!!!ずっとこればかりやっていたい!!!
あっという間に毛糸玉に。
覚束ないマウラをずっと伊藤さんが励ましてくれていました(笑)。数時間お付き合いいただきありがとうございます。
可愛い名刺入れができそう!!!
羊に対する尊敬と愛情が根幹に。「自分で作った羊毛クラフトを日常に」。
伊藤さんにお話を伺いました。
様々な動物がいると思うんですけどなぜ「羊」だったんですか?
羊って「衣食住」を賄える動物なんです。尊敬からくる愛情があります。その羊の恵みで生活している羊飼いも尊敬しています。自分も羊と繋がりたいと思ってはいましたが、始めはどうしたら良いかわかりませんでした。そんな中、同僚が織物を習っていることを知って、そこから少しずつ羊に近づいたり羊関連のイベントを見つけては参加して、今の活動に至ります。
元々は会社員だったんですね。
はい。介護の仕事をしていました。そこの利用者さんたちと話していると、昔は副業として羊を飼っているお家も割と多くて、糸を紡ぐ事も珍しくなかったと聞き偶然にも介護の仕事と羊が結びつきました。介護の仕事をしている時にも、利用者さんたちには自分たちができる事をやって元気になってほしい、という想いがありましたので今は羊毛のゴミ取り作業などでお仕事をしてただいてますが、やはり慣れているのでスピーディーで丁寧ですね。
伊藤さんは作家としての活動がメインですが、このような糸紡ぎワークショップはどこへ行けばできますか?
工房は構えていませんので、ご用命があった時やイベント出店の時にワークショップをやっています。またSalon 齋藤亭さんでは月に一度、ものづくりカフェMISIN&EATSさんでも不定期で在中していますので、ご予約いただければ糸紡ぎができます。
まずは『わたしはひつじ』のフェイスブックページをフォローですね。
ところで伊藤さん。皆さんにお聞きしていますが車は何に乗っていますか?
スバルのXVハイブリットに乗っています。北海道民ではない夫が冬道で運転する際、万一事故にあってもこの車なら大丈夫かなと思って(笑)。
ありそうでいて多分そんなにできないであろう「糸紡ぎ体験」。色の組み合わせでできる毛糸は無限大だし、何より羊毛からできた毛糸玉は愛着が湧いて可愛い。十勝って遊ぶところがない、なんて言われがちですが、こんなに楽しい特別な遊びだってあるんです。
「自身で作った羊毛クラフトが日常の中にある生活」を誰よりも喜ぶ伊藤さん。糸紡ぎのほか、羊毛フェルトを使ったクラフトなども「作りたい!!」と思ったらまずは相談してみてはいかがでしょうか。
さて。次回はマウラの苦手な「編み物」に挑戦!!!今回作った毛糸玉で名刺入れを作ります(作れるのか?)。ニット初心者必見です!!
わたしはひつじ
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